全線開業100周年のJR加古川線 イベントや高校生への自転車貸し出しで利用促進~西脇市・片山市長
兵庫県西脇市の片山象三市長が、このほど、ラジオ関西の生放送に出演し、JR加古川線存続のための取り組みをはじめ、地場産業や豊富な特産品など、市の魅力について語った。 【写真】西脇市の地場産業「播州織」自然な風合い、豊かな色彩、素晴らしい肌触りが特徴 西脇市は、東経135度、北緯35度が交差する地点にあり、日本の真ん中に位置することから「日本のへそ」と呼ばれる。人口は約3万8000人。山や川、田園風景に囲まれる一方、神戸や大阪から高速道路で1時間ほどと、都市部へのアクセスも良い。 西脇市内を通るJR加古川線は、全線開業して100周年を迎えた。しかし、利用者の減少などから存続が危ぶまれ、市民の大切な移動手段として守る取り組みが進められている。2025年1月末まで開催されている謎解きイベント「ジェリークエスト」もそのひとつ。電車内や駅、日本へそ公園など、5ヶ所のチェックポイントで謎解きをクリアすると景品がもらえる。片山市長は「丹波市でも福知山線で同じイベントが行われており、ぜひ、加古川駅からJR加古川線、福知山線と乗り継いで、一周してもらいたい」と話した。 また、市ではJR加古川線を利用して通学する市内の高校生に、駅から学校まで乗れる自転車を貸し出している。「こうした取り組みは、全国でも珍しい。今後中学校の統合もあり、クラブ活動の地域移行が進めば学校の外で活動する部もある。駅なら生徒が集まりやすく、自転車を貸し出すことで、学生の加古川線利用を促進したい」とした上で「地域の大切な交通機関。JRと一緒になって、利用者を増やす努力をしていきたい」と話した。 片山市長は、西脇市の魅力について「“FBI”で表現できる」と紹介した。 Fは、市を代表する2つの地場産業、播州織=ファッションと、播州釣針=フィッシュフック。Bは、市内黒田庄町で育てられている牛=ビーフ。そして、Iは20年ほど前から栽培が盛んないちご。片山市長は「日本語やんか!と言われそう」と微笑んだ。そして「FBIプラス、播州ラーメンで、海外にも魅力を紹介している。先日アメリカで話したら、あちらの市長さんも西脇に行きたいと言ってくださった」と、手応えを語った。 このうち播州織をめぐる新たな動きについて、片山市長は次のように紹介した。 地場産業のひとつ播州織では、先日、オリジナルデザイン「西脇チェック」を決定した。全国から集まった200ほどの作品を、テーマ性やシンボル性、織物にできるかどうかの実現性などで絞り込み、小中学生を含む市民の投票で選ばれた。「豊かな川が流れる街でたくさんの人が交流を深め、いつまでも愛があふれるように」との思いが込められている。「これから、西脇のシンボルとして製品化して、西脇のアピールに使っていきたい」という。 牛肉をはじめとする農産品が豊富で、播州織などの地場産業も盛んな西脇市には、返礼品に魅力を感じてふるさと納税をする人も多い。しかし、返礼品の一番人気は、意外にも特産品ではなく、クリーニングだという。片山市長は「市内の個人経営のクリーニング店が、洗濯だけでなく、外れかけたボタンや、ほつれなどを綺麗に直して、半年間預かって送り返してくれる。季節外の服の保管に困らないからなのか、これがナンバーワンの人気」と紹介した。 西脇市は今年2月、スポーツ庁による「令和5年度体力つくり優秀組織表彰」で文部科学大臣賞を受賞した。「“健幸”都市・にしわき」を掲げ、自身の歩数に関心を持つよう、市民が活動量計を身につけたり、運動教室なども開いている。片山市長は「平均で、体力年齢が6.6歳若返り、医療費が12万円ほど下がっているというデータを元に表彰していただいた。西脇は、日本一健康なまちに近づいていると思う」と胸を張った。 ※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』2024年11月20日放送回より
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