【阪神】ドラ3木下里都はNPB最速投手目標「開幕1軍。1年間でみると新人王も狙いたい」
阪神ドラフト3位のKMGホールディングス木下里都(りと)投手(23=福岡大)がNPB最速投手を目標に掲げた。 2日、福岡市内の同社で指名あいさつを受け「近い目標は開幕1軍。1年間でみると新人王も狙いたいですし、長く見ると日本最速を目標に」と決意を新たにした。 最速156キロ右腕が掲げる大目標は、160キロ超えの剛速球だ。NPBの日本人最速は日本ハム大谷とロッテ佐々木がマークした165キロ。外国人を含めると、巨人ビエイラの166キロが燦然(さんぜん)と輝く。阪神では21年スアレスの163キロが最高。高校までは遊撃手で、福岡大1年時に投手転向してまだ6年目とあって、本人もまだまだ球速が上がると感じている。 担当の前田忠節スカウト(47)はその実力をこう例えた。「和製ゲラぐらいじゃないですか。真っすぐとカットボールがあるので」。150キロ超えの真っすぐを武器に、勝利の方程式の一角を担った助っ人右腕に匹敵するとの評価だ。社会人では先発、中継ぎ、抑えのすべてを経験。阪神での起用法は未定だが、速い直球を軸にどの部門でも即戦力になると期待は大きい。 仕事でも投球でも心がけるのは笑顔だ。普段は車の販売店に勤務するスタッフで、ドラフト指名された翌日も朝9時に出社した。40人ほどの顧客を担当。「営業はお客さまの印象が大事。常に笑顔で対応するように心がけています」。マウンドでも調子が上がると自然と笑みがこぼれるという。「車は言葉でアピールですけど、これからは自分自身を売り込まないと」。プロでは自慢の剛球を売り込み、藤川阪神に貢献する。【村松万里子】 ◆日本人最速投手 NPB最速は165キロで、日本ハム時代の大谷が16年10月16日CSファイナルステージのソフトバンク戦(札幌ドーム)で、ロッテの佐々木朗が23年4月28日オリックス戦(京セラドーム大阪)でそれぞれ初めて記録している。外国人も含めた最速は、巨人のビエイラが21年8月13日中日戦(東京ドーム)で出した166キロ。なおメジャーでの日本人最速は、オリオールズ時代の藤浪が23年8月6日メッツ戦で102・6マイル(約165・1キロ)を計測した。これに続くのがエンゼルス時代の大谷で、22年9月10日アストロズ戦で出した101・4マイル(163・2キロ)。 木下里都(きのした・りと) ◆出身 2001年(平13)1月27日生まれ、福岡市出身。 ◆球歴 小田部小1年から原北ウイングス少年野球クラブで野球を始め、原北中では白龍ベースボールクラブに所属。福岡舞鶴では1年夏からベンチ入りし、同年秋から正遊撃手。福岡大1年時に投手転向した。 ◆球種 ストレート、スライダー、カットボール、ツーシーム、カーブ。最速は156キロ。 ◆趣味 釣り(アオリイカなど)。 ◆特技 書道準8段。 ◆家族構成 父、母、姉、兄。 ◆サイズなど 183センチ、90キロ。右投げ右打ち。遠投120メートル、50メートル走6秒02。