「女子高生に扮したおじさんの恋」にグッときた夜 「VRおじさんの初恋」はNHKの“上から目線”がない名ドラマだ
多様性の時代、あらゆる差異をなくしていくことを目指しているとはいえ、簡単なことではない。性差やルッキズムをなくすのみならず、年齢差別にも意識をもっと向けるべきではないか(欧米は履歴書に年齢を入れず実績だけで見る)。 その点、VRの世界ならすべてがとっぱらえる(そのシステムに対価がかかる場合、支払う経済的能力はないとおのずと外れてしまうけれど、それはさておく)。そこに頼る人たちがいることこそが現実なのだ。
直樹が「トワイライト」の終わりを見届けようとしたように、ドラマ『VRおじさんの初恋』の終わりを静かに見届けたい。
木俣 冬 :コラムニスト