ゴール直前で倒れ込む東海大のロホマン・シュモン（撮影・福島範和）

第101回東京箱根間往復大学駅伝予選会（19日、東京・陸上自衛隊立川駐屯地～国営昭和記念公園＝21・0975キロ）43校が参加し、上位10校に与えられる出場権を各校上位10人の合計タイムで争い、19年本大会総合優勝で、11年連続本大会出場中だった東海大はアクシデントに見舞われ、11時間3分39秒の14位で落選した。 ゴール直前で悲劇が起こった。ロホマン・シュモン（3年）が残り10メートル付近で倒れた。四つんばいで進む姿勢を見せて、何度か立ち上がろうとしたが倒れ込み、審判長が×マークを出して棄権が決定。この時点で東海大は9人がゴールしており、ロホマンがそのままゴールしていれば本大会出場を決めていた。 チーム関係者によるとロホマンは熱けいれんを起こしており、車いすに乗せられた際は意識がなく危険な状態だったが、救急車で搬送される前には意識が戻ったという。両角速監督（58）はロホマンに付き添って病院へ向かった。 残暑のこの日は午前9時時点で気温が23・2度。昨年よりも7・4度高く、レース中もぐんぐんと気温が上昇。10時時点で24・2度、ゴールする頃には25度近くになっていた。日差しが強く、立っているだけでじんわり汗をかいてくる気候で、体感温度は30度近かった。 チームトップの1時間4分27秒、全体23位でゴールしたエースの花岡寿哉（3年）は「本調子を出すことができなかった。タイムを稼ぎきれなかった。厳しい戦いだった。（ロホマンは）チームのために最後まで力を振り絞ってくれたので、責めたくはない。1つのきっかけとして、悔しい経験を来年しっかり出していってほしい。暑くなるのは分かっていた。そこに対する取り組みが少し甘かったのかなと思います」と悔しさを押し殺しながら冷静に語った。（尾﨑陽介）