神戸大迫勇也（24年9月1日撮影）

＜明治安田J1：京都2－3神戸＞◇第33節◇6日◇サンガS 　2位ヴィッセル神戸がアウェーで3ゴールを挙げ、同一シーズンではクラブ新記録となる6連勝を飾った。 　前半17分にFW大迫勇也（34）のゴールで先制し、同終了間際にMF佐々木大樹（25）が追加点。後半に1度は追いつかれたが、途中出場のFWジェアン・パトリッキ（27）の勝ち越し点で力強く勝ち切った。連覇へ弾みがつく劇的勝利。サンフレッチェ広島もジュビロ磐田に2－1で勝ち越したため奪取こそならなかったものの、勝ち点1差で追う首位にプレッシャーをかけた。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　昨季王者の神戸が、底力を見せつける戦いで京都を下し、連覇に向けて大きな白星を手にした。理想的な戦いで2－0として前半を終えながら、後半開始早々、京都に追いつかれる苦しい展開に。それでも継続したハードワークと的確な采配で勝利をもぎ取った。 　吉田監督は劣勢の後半26分に「少し押し返したい」とMF鍬先とFWパトリッキを投入。球際の強さとスピードで流れを変えると、同38分には鍬先のシュートからパトリッキが押し込んで勝ち越しに成功した。最後はDF菊池ら守備的な選手を投入して試合をクローズ。終了間際に同点とされた過去の失敗も生かし、堅く勝ち点3を積み上げた。 　16年から17年にかけ、シーズンをまたいだ6連勝はあったが、同一シーズンではクラブ初の新記録。FW大迫は「ヴィッセルはあんまり勝ち続けてないから」と笑いながらも「積み重ねが形になっていると思う。そういう選手が集まってきたからこそ勝ち続けることができている」。昨季以上に戦力と経験値が増したチーム状況に自信を見せた。 　この日2アシストのDF初瀬は「優勝するには、今日みたいに追いつかれてはいけない」と反省しつつ、再び勝ち越す力があることを示した。連覇を狙う集団にふさわしい、貫禄の内容だ。天皇杯、アジア・チャンピオンズリーグ・エリート（ACLE）も含めて12戦無敗（10勝2分け）とした吉田監督も「自分たちは勝ち続けるだけ」と浮足立つことはなかった。今節の奪取こそ持ち越しも残り5試合での逆転優勝へ、勢いは止まらない。【永田淳】