外国人客の入場料4倍へ値上げ検討 二重価格で姫路城守れるか 観光公害対策で海外導入も
一方、姫路城近くの土産販売店「西の丸茶店」の佐野美八子(みやこ)店長は「店を訪れる外国人観光客はこちらが心配になるほど商品をたくさん購入する。お金持ちのお客ばかりだと思うので、客足はあまり減らないだろう」と冷静に受け止める。
姫路市によると、今のところ、外国人観光客の増加に伴う具体的なトラブルは起きていないが、「木造建築物なので観光客が増えると、振動などによる天守閣への影響がこれまで以上に懸念される」(担当者)といい、修繕など対策費の増加は避けられないという。
料金改定については「今後10年間の維持管理費や保存整備など必要な経費を見据えて設定したい」と説明。「関係する機関と十分な協議を行いながら進めていく」とする。
観光問題に詳しい芸術文化観光専門職大の池田千恵子准教授は「修理に必要な資材の確保などを目指すのであれば、値上げによって財源が増えるのでメリットといえる」と指摘。一方で、入場者の3割に過ぎない外国人観光客のみ入場料を上げるには説明が必要だとし、値上げによる増収分は「多言語案内掲示板の設置など、外国人観光客のためのサービス向上に充てるべきだ」としている。(香西広豊 西浦健登)