会議同席の原告側証人元捜査員「捜査に問題あった」 大川原化工機国賠証人尋問詳報(下)
外為法違反(無許可輸出)罪などに問われ後に起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長らが、東京都と国に損害賠償を求めた訴訟。東京高裁で開かれている控訴審(太田晃詳裁判長)では、警視庁公安部の取り調べが適正に行われていたかどうかが争点の一つとなっている。9日に開かれた第2回口頭弁論では、原告側の証人として警視庁公安部に当時所属した捜査員Cが出廷。Cは警視庁と経済産業省の会議に同席するなどしていたという。 《まず、原告側の弁護士による質問が始まった。Cは経産省と警視庁との打ち合わせに3回立ち会い、参加していないときは捜査メモを読んで情報を把握していたとした》 原告側の弁護士「(熱風で装置内を殺菌できるという)乾熱殺菌理論で公安部は(経産省に)相談していた」 C「初めからではないが、途中からそうなりました。警察内部で作りました」 原告側の弁護士「誰が思いついたのか」 C「上司と経産省に直前まで行っていた捜査員とで思いつきました」 《Cは、警視庁は平成29年9月の温度を測る実験で滅菌温度に達しなかったため、殺菌で行こうと、経産省と相談し始めたとするが、経産省は「なんの証明にもならない」と回答。30年1月26日でも断られ、2月2日に再び打ち合わせを行ったとした》 原告側の弁護士「2月8日、経産省側から家宅捜索に協力する姿勢を示された。この短い間に新たな材料の提供がないのに、(経産省が姿勢を)一転したのはなぜだと考えるか」 C「警部レベルではどうにもならないので、警視庁の上層部から経産省にお願いしたからだと考えます。(お願いしたのは)公安部長ではないかと考えています」 原告側の弁護士「誰のどういう発言でそう思ったのか」 C「上司の係長が『どうにもならないから上層部にお願いするしかない』といっていたのを聞きました」 原告側の弁護士「報告は誰がしたのか」 C「上司の係長」