いま、中国のネット規制がどんどんヤバくなっている
今後はさらにエスカレートする
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中国の習近平・国家主席は「第4回世界インターネット大会」に祝辞を寄せ、サイバー空間の統制を強化すると宣言した。このままでは、新興国・途上国を中心に、中国のネット統制に追随する国が続出しかねない。日本はこの潮流とどう向き合うべきなのか。 *** 中国の習近平・国家主席は12月3日から5日まで3日間の日程で開催された「第4回世界インターネット大会」の祝辞で、「インターネットは各国の主権や安全、発展、利益に新たな課題をもたらしている」としたうえ、サイバー空間を中国の主権がおよぶ領域と位置づけ、統制を強化すると宣言した。 すでに中国は、万里の長城になぞらえて「グレート・ファイアウォール」(ネットの長城)と呼ばれる情報遮断の壁を設けているが、今後は一段とエスカレートすると思われる。企業が取得・蓄積した個人情報を保管するサーバーを中国国内に設置すること、個人情報を中国当局に開示すること、母国の本社と中国現地法人の間の通信をガラス張りにすることなどが、事実上義務づけられる恐れがある。 さらに深刻なのは、ロシアやアラブ諸国といった新興国・途上国を中心に、中国ばりのネット統制に追随する国が続出しかねないことだ。ほぼ5年前の国連のルール改正により、国家が安全保障を理由にネットを統制する立法を行うことは、すでに国際的に正当化されている。 自由主義を標榜する先進国であるアメリカが、9・11同時多発テロののちにその抑止を理由に「愛国者法」や「自由法」といった立法措置を強行して、人権や個人情報の保護をないがしろにしてきた事実もある。 思想や信条、言論の自由といった基本的人権や自由な通商の堅持が危ぶまれる国際情勢のなかで、この潮流とどう向き合うのか。われわれ日本人も真剣に対策を練り、行動を起こす必要に迫られている。
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町田 徹