日経平均急落の犯人はあの銘柄?大型入れ替えの功罪
過去の銘柄入れ替えに比べ、指数に連続性を持たせる配慮はされている。それでも値がさ株が入ることで、指数の変質は免れない(写真:編集部撮影)
投資家は買い材料に目を奪われがちだが、マイナス材料への目配りも欠かせない。「弱気」「不安」「懸念」のタネを抱えたヤバい銘柄に焦点を絞って、落とし穴を避けながら相場で生き残っていくヒントを探る。10月1日に日経平均株価の定期銘柄入れ替えが実施された。入れ替えの対象となったのは225銘柄のうち3銘柄だったが、日経平均ベースの1株当たりの純利益や純資産には大きなインパクトがあり、PER(株価収益率)などの投資指標を使った「売られすぎ」「買われすぎ」の判断基準も変わってくる。6日にかけての日経平均の8日連続安の遠因となった可能性もある。 9月6日に発表された日経平均の構成銘柄見直しに伴い、10月1日付で「3増3減」の入れ替えが実施された。東証の大商い銘柄常連のキーエンス(6861)、村田製作所(6981)、任天堂(7974)が日経平均に採用され、日清紡ホールディングス<HD>(3105)、東洋製缶グループHD(5901)、スカパーJSATHD(9412)から「日経225採用企業」の金看板が取り外された。 日経平均は単純平均株価で算出するのが原則。単価が7万円台と高いファーストリテイリング(9983)が日経平均に最も大きく影響するのも、このためだ。 今回の入れ替えから、採用銘柄と除外銘柄の株価格差を縮めるため、単価の高い銘柄の影響を薄める「調整係数」が導入されている。入れ替え直前の9月末に6万7000円だったキーエンスは、株価を10分の1に圧縮して6700円の銘柄として日経平均に反映されている。こうした計算上の特例措置は、日経平均の入れ替えに伴う混乱を最小限にとどめるための工夫だ。 ただ、構成銘柄が変わる以上、日経平均の変質は避けられない。銘柄入れ替えの前後ではっきりと差が出たのは日経平均の1株益や純資産だろう。
本文:1,831文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
熊田 幸一