高島礼子「高校ではバトントワリング部副部長、『カーリングの神様』の女子高生たちは眩しかった」
1988年、25歳のときに『暴れん坊将軍III』で俳優デビューして以来、数多くの映画やドラマに出演。今年も舞台「メイジ・ザ・キャッツアイ」で藤原紀香、剛力彩芽と共にトリプル主演を務めるなど、長きにわたって第一線で活躍する高島礼子。本田望結主演の映画『カーリングの神様』にカーリング会場のオーナー役として出演する彼女に、本作の撮影エピソードを中心に話を聞いた。(前後編の前編)。 【写真】映画『カーリングの神様』撮影エピソードについて語る高島礼子、撮りおろしカット【7点】 ――公開中の映画『カーリングの神様』で長野県の御代田町(みよたまち)にあるカーリング会場のオーナー役を演じています。オファーがあったときの気持ちからお聞かせください。 お話しをいただいたときが、ちょうど北京オリンピックの時期で。リアルタイムで日本のカーリング女子の活躍を応援していたので、カーリングを題材にした映画というのが興味深かったです。本木克英監督の作品が大好きなので、監督の新作に出演できるのもうれしかったです。 ――本作はカーリングにかける女子高校生たちの姿を描いていますが、初めて脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。 あまりにも高校時代の思い出が遠過ぎて(笑)。仲間割れや、かつてのチームメイトへの思いなど、若者たちの葛藤に共感するのは難しいと思ったんです。でもカーリングの大会に向けて切磋琢磨しながらも、なかなか上手くいかずに紆余曲折して苦しむ主人公たちの姿が歯がゆくもあり、すごく面白かったです。 ――高島さんは高校時代、何かに打ち込んだ経験はあったのでしょうか。 私はバトントワリング部に所属していて、副部長も務めたんですが、それほど真剣に打ち込んでいたわけではないんです。なぜ副部長に選ばれたかというと、いい加減だから(笑)。部長はしっかりした人だったんですが、真面目な人間が二人トップにいると息苦しいじゃないですか。私はどちらかというと、「なるべく休もう」というタイプでしたからね。そもそも、みんなで一生懸命やるというのも苦手だったので、余計に『カーリングの神様』の女子高生たちは眩しかったです。 ――バトントワリングもチームプレイが大切なのでは? チームで踊るとはいえ、練習は個々なんです。各自で曲や踊りを覚えることが大切で、個人プレイができあがったところで、みんなと合わせていくんですよね。そこが大きく違っていて、カーリングは相手を信じないとやっていけないスポーツだと思うんです。『カーリングの神様』を通して感じたのは、仲良し力や信頼関係がないと結果を残せない。自分というよりは、みんなのために頑張っているところに感動するんですよね。 オリンピック繋がりでカーリングと似ているなと感じたのは、体操の個人団体戦です。それぞれの種目のエキスパートがいて、自分の見せどころがあって。でも何か起きたときに、誰かが補ってくれるみたいなところは共通するのかなと思いました。 ――カーリングは詳しくルールを知らなくても十分に面白いですよね。 正直、私も平昌オリンピックまでは、ほとんどカーリングのルールを分かっていなかったんです。でも北京オリンピックでハマって観ているうちに何となく分かって。この映画の出演が決まったときは、特別勉強しなくてもルールを理解していました。 ――本木監督の印象をお聞かせください。 現場の雰囲気が明るいんですよ。それは本木監督の人柄が大きいと思いますし、本番では緊張感の中にも自由にさせてくれるところがあって、すごくやりやすかったです。 ――撮影は御代田町で行われたそうですが、現場の雰囲気はいかがでしたか。 ご飯を作ってくださったり、カーリングの試合のシーンを客席で観てくださったり。地元の皆さんがたくさん参加してくださって、とても和やかで楽しい雰囲気でした。ご当地系の映画には他にも参加させていただいているんですが、どの現場でも地域を巻き込んでの良さがあるんですよね。地元の皆さんはカメラに映っているときも良い味を出してくださるので、私たちも負けてられないなという気持ちになります。