《美容医療「失敗した」体験者たちの告白》「ヒアルロン酸注射で左右非対称なほうれい線」「二重手術でドライアイ」…技術や意識の低い医師が参入する現実
皮膚を持ち上げる「糸リフト」で別人の顔に
施術自体は成功していても、患者本人の「理想の姿」になれず、後悔するケースもある。mimiさんが振り返る。 「1~2年ほどで体内で溶けて吸収される特殊な糸を肌に通して皮膚を持ち上げる『糸リフト』は、近年人気の施術で、私もこれまでに20本ほど入れています。ですが、一度だけ糸の端がにきびのようにポツっと肌を押し上げた状態になってしまったことがありました。施術が失敗したわけではないのですが、糸が溶けるまでの間は鏡を見るたびに憂うつになっていました」 同じく糸リフトでつらい経験をしたと話すのは北海道のNさん(50才)だ。 「たるみは改善したのですが、眠っている間も目が半開きになるほど目尻が強く引っ張られて、もともとはタヌキ系の丸い目元だったのがキツネ目になり、結婚予定の年下の彼に“怖い顔になっちゃったね”と言われて大ショック。再手術で目元は元に戻せましたが、たるみは施術前よりひどくなってしまいました」
トラブルの例が多い目を二重にする「埋没法」
メスを使わずに糸を通して人工的にまぶたに折り目をつくって二重にする「埋没法」にも、トラブルは枚挙に暇がない。京都府のYさん(50才)は、高校生の娘が埋没法の二重手術を受けたときのことを振り返る。 「2か月くらいですぐに一重に戻ってしまい、施術を受けたクリニックに相談すると“体質的に、埋没法では効果が持続しない”と言われ、追加で脂肪吸引と目頭切開の手術を受けることに。最初の手術と比べてダウンタイムと痛みは2倍、費用は4倍に。結果的にぱっちり二重を保てているものの、印象が変わりすぎて整形したのがバレバレ。友人たちにもヒソヒソ噂話をされた娘は高校を中退し、いまは知り合いのいない通信制高校に通っています」 埋没法は施術時間が15分ほどで費用も比較的安く、学生でも気軽に受けられるようになった美容施術の1つだが、体質によっては糸がうまく皮膚に沿わない場合もあり「理想と違う」というトラブルがもっとも起きやすい施術とも指摘される。徳島県のFさん(61才)も事態は深刻だ。 「加齢とともにまぶたが下がる眼瞼下垂に悩んで二重手術を受けると、目の縦幅は3割増し、おでこのしわも薄くなって10才くらい若く見えて大満足。でも、機能的には最悪で、ひどいドライアイになり、常に目にゴミが入っているような違和感のほか、日によっては左右の目がパッと見てわかるほど非対称なことも。施術が失敗しているわけではないので文句も言えず、お化粧や眼帯でごまかして暮らしています」 二重手術は、場合によっては、糸が目に触れて痛みや炎症、出血を起こすケースもあり、治すのは非常にやっかいだ。 「埋没法に使用する糸は極めて細く、結び目を探すのが難しい。“安いから”“近いから”と安易に施術を受けず、施術のうまい医師を慎重に探してほしい」(星さん) 形成外科や美容外科ではなく眼科で二重手術を受けた後、修正手術を選んだ人もいる。 「当院を訪れた30代女性は、眼科で眼瞼下垂治療のための二重形成手術を受けたところ、二重幅の左右差が激しく、修正してほしいとのことでした。ケースによって差はありますが、二重の修正手術には60万~70万円ほどかかることもあるので、失敗のないよう慎重にクリニックを選んでください」(田牧さん) () ※女性セブン2024年11月21日号