国学院久我山、花園94勝 ドンキーコングJr.大暴れ 父が元日本代表、笠井大志の2トライで点火
第104回全国高校ラグビー2回戦(30日、国学院久我山32-5日本航空石川、花園Ⅲ)2回戦16試合が行われ、過去5度優勝で2大会ぶり出場の国学院久我山(東京第2)が日本航空石川に32―5で勝ち、来年元日の3回戦に進んだ。父が元日本代表選手のHO笠井大志(3年)が2トライなど活躍した。京都工学院は中部大春日丘(愛知)に勝利。前回優勝の桐蔭学園(神奈川)、選抜大会を制した大阪桐蔭(大阪第1)や石見智翠館(島根)のAシード勢なども勝ち上がった。 前回は立てなかった花園で、国学院久我山の紺のジャージーが躍動した。パワーを軸に、日本航空石川に快勝。2連続トライと暴れたHO笠井大志の声が弾んだ。 「うれしい。最初は堅くFWで縦に行って、後半から状況を見て外に回したりしていた」 前半6分、敵陣深くのラインアウトから笠井がインゴールに飛び込んで先制トライ。14分にも笠井の正確なスローからモールを押し込み、笠井がトライ。12-5で折り返すと、後半は展開ラグビーで3トライを重ね、相手に得点を許さない堅守も誇示した。過去5度の優勝を誇る名門が、2年ぶりの花園通算94勝目(歴代5位)を挙げた。 笠井の父は、本郷高-法大を経て東芝(現BL東京)で主にPRとしてプレーし、日本代表としても通算11キャップを持つ笠井建志さん(48)。2012年に現役引退した父は184センチ、118キロの体格から「ドンキーコング」の異名も取った。そのDNAを受け継ぐ高校日本代表候補が、高いフィジカル能力を発揮した。 今大会前、父にスクラムを組む映像を見てもらった。高2春からポジションを3番から2番に移した息子は「スクラムが高くなってしまうので、低くする方法などを教わった」と言い「(父を)尊敬している。一歩でも近づきたい」。2本目のトライは、相手ボールスクラムで反則を誘って生まれたチャンスだった。 2大会前の花園は3回戦敗退。1年の笠井はサポートメンバーとして帯同し、試合はスタンドから見た。前回は東京第2地区予選決勝で目黒学院に敗戦。悔しさを糧に、笠井はこの1年間、最上級生として「練習で緊張感を持つことを大切に。試合をイメージして集中して」と統率してきた。 元日の3回戦は大分東明と当たる。「目標は優勝」と笠井。97年度以来、27大会ぶり6度目の頂点へと踏み出した。(石井文敏)