高校駅伝・三重県勢 女子・鈴鹿は「過去一の練習量」で自信深める
男子第75回、女子第36回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社、日本陸連、全国高体連など主催)が22日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に行われる。三重県からは、男子は23年ぶりに稲生が、女子は3年連続で鈴鹿が、いずれも3回目の出場を果たす。全国の高校生ランナーが憧れる都大路を舞台に、県勢の躍進が期待される。【渋谷雅也】 【2024全国高校駅伝】女子出場校の顔ぶれ 県予選は中盤までライバルの後じんを拝したものの、終盤に逆転した鈴鹿。終わってみれば2位に1分22秒差を付ける貫禄の3連覇を果たすまでの道のりは、決して順調ではなかった。 800メートルと1500メートルの2種目で県高校記録保持者の松本未空(豊田自動織機)が卒業し、田中将吾監督(39)は「松本がいなくなったから弱くなったと言われたくない。これからは総合力で都大路に出場する」と決意した。ただ、5月下旬の県高校総体3000メートルでは1、2位を他校の選手に譲るなど、思うような結果が出ず、危機感を募らせた田中監督は「このままでは都大路に出場することができない。もっと練習させないと選手たちが輝くことができない」と練習量を増やすことを決断した。 6月からは、30分だった朝練が1時間になった。体作りを中心にした放課後の練習は2時間のうち、3分の2をランニングメニューに費やした。 選手たちも弱音を吐くことなく、よりひたむきに取り組むようになった。林里音主将(3年)は「SNS(ネット交流サービス)で他のチームが私たちより練習している様子を見て、このままで大丈夫かなと不安があった。やるからにはやってやると覚悟があった」と意気込みは増した。 練習の成果は次第に結果に表れ始めた。夏を乗り越え、10月の静岡長距離記録会では山中千佳(3年)、嵐夢乃(2年)、宮田莉子(1年)の3人が3000メートルを9分台で走り、自己ベストを更新した。 豊富な練習量に裏付けられた自信がそれぞれの選手を支えた。11月の県予選も序盤から追う展開になっても慌てることなく、田中監督の春先の狙い通り、総合力でレースをものにするまで、チームはたくましく成長した。 県内で強さを示し、3回目の都大路に挑む。過去2回は初出場だった22年が43位で、記念大会だった23年は53位に沈み、選手たちには泣いて終わっている思い出ばかりが残っているという。 田中監督は「どんな結果になっても、納得した走りで笑顔でレースを終えたい」と話した。1年生から2年連続でメンバーとして走った林主将は「毎年、悔しい涙を流している。今年は過去で一番練習しているから、良い結果を出せる自信がある」と、「三度目の正直」として納得いく成績を目指す。【渋谷雅也】