第10回ふくしま産業賞 金賞 イービーエム(福島市) 手術技術の向上貢献
心臓外科医が行う冠動脈バイパス手術など手術には難易度の高い技術の習得が必須となる。実際の手術と同様にトレーニングできるシミュレーターの開発、販売を手がけ、手術の成功率向上に貢献してきた。 今年1月に販売を開始した内視鏡手術用シミュレーター「COLOMASTER(コロマスター)」は患者数が大幅に増加している大腸がんの手術について訓練できる製品だ。国立がん研究センターと長年開発を進めてきた。臓器や血管のモデルを人体と同じ構造とし、腸壁や周辺の臓器の質感を忠実に再現している。 国内外の医療機関から引き合いがある。手術用のロボットを開発する際にその性能を評価する製品としても活用されており、1年間で約2千個を生産している。 2016(平成28)年に福島市に開発・製造拠点施設「FIST(フィスト)」を設立した。託児スペースを設け、保育士資格を持つ社員を雇用。子育て世代の女性が働きやすい環境を整えている。朴栄光社長(42)は「快適な職場環境にしながら、世界の医療水準向上にさらに貢献していきたい」と意気込む。
◇ ◇ イービーエムは第2回ふくしま産業賞で福島民報社賞、第6回で特別賞、第8回で選考委員長賞を受けている。 ■メモ ▽設立=2006(平成18)年8月(本社・東京都大田区) ▽社長=朴栄光 ▽従業員数=11人 ▽住所=福島市野田町3の5の15 ▽電話番号=024(573)1125