津田健次郎が今年も実感したこと「30年をもってしても、芝居というのはよくわからなくて面白い」
「芝居は面白いな」と今年もまた実感しました
──作中で印象的だったシーンは? 冒頭の一連のシーンですね。ネタバレになるので多くは語れませんが……「なるほど、クレイヴンはこういった身体能力を武器としているんだ」とすぐに理解できると思います。アクションシーンとしてもスピード感に溢れていて面白かったです。 ──おっしゃる通り、“クレイヴン・ザ・ハンター”とはどんなものか、冒頭で一目瞭然でした。 クレイヴンというキャラクターが持つ個性が非常に色濃く出ていて、冒頭のつかみで全部説明できてしまっているんですよね。セリフや掛け合いで長々と説明するのではなく、「こういうタイプの人です」というのがアクションのなかに組み込まれていて、一発でわかってしまう構成が面白いなと思いました。 この作品自体にアメコミものとしての面白さがあって……、ほぼ生身で戦うところにも新しさを感じましたし、人間ドラマとしても非常に重厚感溢れる作品です。アクションと人間ドラマの両方が楽しめる総合力の高い映画になっていると思いますので、ご興味がおありの方はぜひご覧ください。 ──2024年もあとわずか。1年を振り返って、役者として新たに感じたことはありましたか? どうでしょうねえ……舞台作品や実写作品、吹き替え、アニメと色んな仕事をさせていただき、また1年、たくさんの経験を積ませていただけたことに感謝しています。お芝居の面では数年前から「もう一度初心に返ってやってみる」みたいな感覚がありますが、ますます芝居がわからなくなってきましたし、そういったところも含めて「芝居は面白いな」と今年もまた実感しながら、一つひとつのお仕事に向き合っていた感じでしたね。 ──「芝居がわからない」というのはどういう感覚なのでしょうか? 芝居というのは難しい、ということですかねえ……いままでやってきたことも踏まえて、より深く掘っていくと「やっぱり芝居って、いまだにようわからんな」と思うんです(笑)。ずっとその繰り返しなんですが、作品一つひとつについてまずは丁寧に本を読み込んだり、イメージを作っていく。当然のことですが、そういったことが本当に大事だと思いますし、2025年もいままで以上に丁寧に芝居をやっていけたらいいなと思います。 取材・文:とみたまい <作品情報> 『クレイヴン・ザ・ハンター』 12月13日(金) より日米同時公開 MARVEL and all related character names: (C) & TM 2024 MARVEL