日本と大きく違う米国の遺産課税方式…遺産分割協議書が不要、高額の整理費用、遺産の中身が外部に筒抜け
最終税額決定後、課税当局は事後調査なし
遺産税の申告と納付は、管財人が遺産から支払うことになりますが、管財人が納税義務を負うものではありません。 管財人は内国歳入庁長官に対して、税額決定に関する文書を提出し、その文書の提出後9ヵ月を限度として、内国歳入庁長官は税額について管財人に通知(estate tax closing letter)することになります。 また、州に相続税等がある場合には、連邦と同様の手続きが州税務当局との間に必要となります。結果として、管財人はこの文書を受取ることにより遺産税追徴の納税義務から解放され、最終税額である旨の文書を受け取ることになります。このことは、課税当局が事後調査をしないことを意味します。申告是認として扱うことになります。 この制度は、管財人が遺産を相続人に分配した後に、税務調査により遺産税の追徴が生じた場合、相続人間で混乱が生じる恐れがあるからだと推測します。 矢内一好 国際課税研究所首席研究員
矢内 一好
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