救急車運転技術向上へ、ベルリングが講習会開催…モータースポーツの要素
(写真:レスポンス)
DMM.comのグループ会社のベルリングが、勝又自動車と協力し、救急隊員向けに「救急車運転講習会」を開催した。緊急走行時の運転技術の向上を目的としている。救急車には速度と安全性、さらに揺れない運転が求められる。 3月6日に千葉県の柏市消防局と流山市消防本部の救急隊員を対象に講習会が開催された。講習会は千葉市にあるKatsumataMobilityLabo(旧勝又自動車学校)の教習コースで行なわれ、受講者の技量や癖に応じて、緊急走行時に求められる運転技術などがレクチャーされた。 ◆救急車の出動件数増加と搬送時間の増加 ベルリングによると、救急車の出動件数は年々増加しており2022年度には約723万件に達した。遠方からの出動が増えることで現場到着や病院収容にかかる時間も長くなったという。さらに救急車の事故も増えており、それも搬送時間の増加につながっている。 緊急走行時における制限速度は、高速自動車国道の本線上で100km/h、それ以外の道路では80km/hと定められており、通常走行時よりも速い速度が認められている。一定の速度と安全性、さらに車体の揺れを抑えた運転が求められる救急車の運転には、通常より高い技術が必要だが、救急車の運転に特化した講習は各消防本部が独自のやり方で実施するのみに留まっている。 ◆運転技術向上プログラムD-SUPの活用 上記の背景をふまえ、ベルリングは勝又自動車の「D-SUP」プログラムを活用し、救急隊員の運転技術向上を図ることにした。D-SUPはモータースポーツの要素を取り入れた指導プログラムで、受講者は自身の運転の癖を認識し、安全かつ車が揺れない運転技術を学ぶ。ベルリングは、全国の消防局・消防本部を対象に継続的な講習会を開催する予定だ。これは、救急車運転の質の向上と安全性確保をめざすもので、救急車メーカーとしての社会貢献を目的としている。
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レスポンス レスポンス編集部