インテル、チップファウンドリー事業の詳細を公開 注目すべきポイントは?
AIチップの急激な需要増加に応え、インテルの復活を目指す
このチップファウンドリー事業には、昨今の生成AIブームを追い風に、インテルの復活を図る狙いがあるようだ。 生成AIへの注目度は非常に高く、その業界の急成長に伴って、AIによるディープラーニングや機械学習を実行できるAIチップの需要が急増すると予想されている。 インテルは昨年12月、チャットGPTのような生成AI向けの半導体で、従来比4倍の処理速度を誇る「ガウディ3」を披露。半導体チップ市場の主力企業になる可能性にかけており、ゲルシンガーCEOは先日、カリフォルニア州で開催された同社のFoundry Direct Connectイベントで、「生成AIはコンピューティングのすべてを変革しつつある。私たちのファウンドリーで業界のあらゆるAIチップを製造したいと考えている」と述べている。 同イベントには、OpenAIのCEOサム・アルトマン氏も特別ゲストとして登場。生成AI業界におけるAIチップ供給の重要性を感じさせるイベントとなっていた。
持続的で安定した半導体供給を目指す
生成AIだけでなく、様々な産業分野がデジタル化されていることにより、半導体需要は急速に増加している。 現在、半導体業界のリーディング企業は、受託製造で業界一位の台湾企業TSMCと、去年大赤字を出したものの売上高でインテルに並ぶ韓国のサムスンであり、約80%の半導体生産能力がアジアに集中している。 この地理的な不均衡に対し、米国では2022年に「CHIPS法」が可決、米国内の半導体製造の再活性化に520億米ドルの支出を決めたが、ブルームバーグの報道によると、インテルはこのうち100億米ドルを受け取る予定だ。 インテルも半導体製造の地理的な不均衡を解消していくことをミッションとして掲げており、半導体のサプライチェーンを米国、欧州にも広げることで、デジタル化が進む世界において、半導体供給の回復力を備え、持続的で安定した半導体供給を目指すとしている。