ダイソーTCG「蟲神器」、今冬発売予定の第5弾で遊べる先行体験会を実施
2024年11月24日、大創出版主催のTCG「蟲神器」の第5弾先行体験会が池袋のTCGショップ「ドラゴンスター池袋店」で開催された。この先行体験会は、大阪や東京、福岡、静岡、山形で開催されている体験会の一つであり、新弾発売前の恒例イベントとなっている。筆者も先行体験会に参加してきたのでその様子をレポートしたい。 【画像】ドラゴンスター池袋店での「蟲神器」第5弾先行体験会の様子 ■ 発売から2年が経過し、さらに盛り上がりを見せる「蟲神器」 「蟲神器」は、100円ショップ大手のDAISO(ダイソー)が2022年11月7日に発売を開始したダイソーオリジナルTCGで、スターターセットもブースターパックも税込み110円で購入でき、気軽に始められるTCGとして多くのプレイヤーを獲得している。基本的には、新品のスターターパックやブースターパックは全国のダイソーのみでの販売となる。TCGショップなどで販売されている一般的なTCGは、TCGショップ内のデュエルスペースなどで公認大会が行なわれているが、ダイソーの店内にはそうしたスペースはない。その代わり、「蟲神器」には公認サポーター制度があり、公認サポーターによる公認大会が全国各地で開催されている。2024年11月16日には、東京で2周年記念イベント「蟲主総会2024」が開催され、500人規模での公式大会のほか、サイン会や4人フライト戦などさまざまなサイドイベントが行なわれ、参加者は1,000人を超えた。筆者も蟲主総会2024に参加したが、とても素晴らしいイベントであった。最近は、小学生のプレイヤーも急増しており、さらなる盛り上がりを見せている。 ブースターパック第5弾「覚醒の真価」は今冬発売予定で、10月16日から第5弾の新カードの情報が公式Xアカウントで順次公開されているほか、蟲主総会を記念して追加で何枚かのカード情報が公開されており、11月22日時点で「レギウスオオツノハナムグリ」「モンスズメバチ」「サザンフランネルモス(幼虫)」「タランドゥスオオツヤクワガタ」「蟲神の一本槍」「リーガルモス(幼虫)」「マエモンカマキリ」「黒銀蜘蛛の糸」「ノミバッタ」「ジャイアントテキサスキリギリス」「花蝶の幻舞」「ヘラクレスサン」「メガボール」「ヨーロッパミヤマクワガタ」「閻魔虫の斬砕剣」の15種類のカードが明らかになっている。 ■ 14種類の初出カード含む、27種類の新カードを体験 第5弾先行体験会では、第5弾で登場する新カードのうち27種類を体験することができた。この27種類の新カードのうち13種類はすでにXアカウントで公開されたものだが、残りの14種類はこの先行体験会が初出となる。先行体験会では、27種類の新カードをランダムに配るのではなく、シナジーがあるカード4種類を2枚ずつセットにした合計8枚のカードが配布された。セットの種類は全部で8種類であり、カード種類は4×8=32となるが、このうち5種類は第5弾の新カードではなく、第2弾や第3弾などの既出カードになっている。 これまでの先行体験会でも同様にシナジーがあるカードのセットが配布されたのだが、従来は3種類のカードを2枚ずつで合計6枚がセットになっており、新弾のカードだけで構成されていた。今回は、セットに含まれるカードの種類が1つ増え、シナジーの強いカードならすでに発売されているカードも加わるようになったことが変更点だ。さらに、それぞれのデッキタイプに沿ったデッキを構築しやすくなったといえるだろう。 前回の体験会から、単にカードが配られるだけでなく、それぞれのセットの特徴や使い方のヒント、スターターセットに含まれている相性の良いカードが書かれた解説書が用意されるようになったのだが、参加者から好評だったようで、今回も各セットの解説書が用意されていた。 ■ 第5弾の目玉カードを8つのデッキタイプに分けて解説 イベントの様子は後述することにして、まずは、先行体験会で明らかにされた第5弾の目玉カードを解説しよう。先行体験会では、8つのデッキタイプに分けてそれぞれ4種類のカードがセットで配られた。第4弾のカード種類の総数は発表されていないが、体験会で見たカードには●/64とナンバリングされていたため、全部で64種類だと思われる(ちなみに第4弾も同じ全64種類)。先行体験会とXアカウントで公開されたカードは合計29種類になるので、半分近くが公開されたことになる(Xアカウントで公開されたが、今回の体験会では使われなかったカードもある)。 LRカードの「ジャイアントテキサスキリギリス」などが含まれる「デビルアイ&<イナゴの収穫>」セットは、強化カードが付いていると使える攻撃力1500の技「デビルアイ」を持ったジャイアントテキサスキリギリスを切り札として使うデッキだ。「ハネナガイナゴ」の出たとき能力<イナゴの収穫>は、捨て札にあるコスト0の強化カードを手札に回収できるというものであり、ジャイアントテキサスキリギリスのデビルアイとのシナジーが大きい。また、先行体験会で初出となったN強化カード「禁域の注連縄」にも注目したい。付けた虫の体力と攻撃力を100ずつ増やし、相手の虫が術カードの効果で場に出た場合、その虫が場に出たターンに攻撃できなくする能力を持っており、瀬戸際の虫時雨でとどめを刺すようなデッキに対するメタカードとなる。 「<王様>&<供物>」セットは、体力と攻撃力は圧倒的だが、その代わりに出たターンは攻撃できない<王様>能力を持つLRカードの「レギウスオオツノハナムグリ」を中心にしたセットである。「マエモンカマキリ」には出たとき能力<供物>があり、手札から虫を1枚選んで、捨て札に置くことができる。この<供物>によってレギウスオオツノハナムグリを捨て札に置き、「黒銀蜘蛛の糸」によって、捨て札のレギウスオオツノハナムグリを場に出すことで、黒銀蜘蛛の糸の効果により<>の技が失われるため、<王様>能力が失われ、出たターンにすぐ攻撃できるようになるというコンボを狙うデッキだ。 LRカード「リーガルモス(幼虫)」などが含まれる「(幼虫)&胡坐鍋」セットは、攻撃する度に攻撃力と体力が上がる「神の大喰らい」を持つリーガルモス(幼虫)や相手の術で破壊される<未熟>を持つ代わりに体力が大きい「カラスアゲハ(幼虫)」や「イシガケチョウ(幼虫)」を、幼虫専用強化カード「幼虫の胡坐鍋」で強化して戦うデッキだ。 <メガ装甲>セットは、LRカード「メガボール」を中心とするデッキである。メガボールは無色なので弱点を持たず、場に出た次のターン、相手の術カードによりダメージを受けず破壊されないという<メガ装甲>を持っているため、次のターンでの「草薙の劫火」で破壊される心配はない。このメガボールを出すまで、「アオズムカデ」や「フィジーオオウスバカミキリ」などで盤面を処理していくコントロール系デッキだ。 LR術カード「閻魔虫の斬砕剣」を中心とする「閻魔虫の斬砕剣&<強化甲殻>」セットは、強化カードを壊すことでもう一度攻撃できる閻魔虫の斬砕剣と捨て札にある強化カードを再利用できる<強化甲殻>持ちの「ヨーロッパミヤマクワガタ」で畳みかけるデッキだ。 LRカード「ヘラクレスサン」を中心とする「ヘラクレスサン&<羽化>」セットは、コストを3下げることができる「花蝶の幻舞」で素早くヘラクレスサン」を出すか、ヘラクレスサン(幼虫)から「白夜の羽化」でヘラクレスサンを羽化させることで、<伝承羽化>を発動させ、体力1500、攻撃力1600というフルパワーヘラクレスサンで戦うデッキだ。 「<モフモフ>&<漆塗り>」セットは、SRカード「タランドゥスオオツヤクワガタ」とSRカード「サザンフランネルモス(幼虫)」を核とするデッキだ。「プラチナコガネ」や「サザンフランネルモス(幼虫)」の能力で、相手のエサ場を裏返していくことができ、3弾以降、猛威を振るっている水生デッキへのメタともなる。タランドゥスオオツヤクワガタの<漆塗り>は、相手の裏向きのエサ2つにつきコストを1下げるもので、相手のエサ場に裏向きのカードが4枚あれば、3コストで場に出せる。 「蟲神の一本槍&<自爆粘液>」セットは、特別な技の効果を持たないいわゆるバニラカードが主役となるデッキだ。技の効果を持たないバニラカードの「ヒノマルコロギス」などに、バニラカード専用の強化カード「蟲神の一本槍」を付けて強化して戦うアグロデッキである。蟲神の一本槍は、付けた虫が相手の虫の攻撃で倒された場合、捨て札に行かず手札に戻るため、使い回せることが特徴だ。また、突破できないような虫が出てきたら、「ジバクアリ」の<自爆粘液>能力で対処する。 ■ 弾を重ねる毎に小学生の参加者の割合が増加 東京の先行体験会は、午前の第一部と午後の第二部の2回に分けて開催され、筆者は第1部に参加した。第1部の参加者は60名ほどで、過去最大規模であった。さらに、その約半数が小学生であり、子どものプレイヤーが増えていることが印象的であった。筆者は第2弾から第5弾まですべての先行体験会に参加しているが、弾を重ねる毎に小学生の参加者の割合が増えている。参加者に訊ねたところ、学童保育で蟲神器をプレイしているという小学生も結構増えているそうだ。 最初に、大創出版社長の西田 大氏が挨拶を行ない、「先日行われた蟲主総会に参加した人は?」と聞くと、参加者の8割以上が手を挙げ、熱心な蟲神器プレイヤーが増えていることに、西田氏は感謝の意を表していた。 参加者には蟲神器のスターターセット(40枚入り)と、すでに紹介した第5弾の新カードが入ったセット(4種類×2枚)が配られる。それらのカード(配られたセットのカードは8枚全部をデッキに入れる必要がある)を組み合わせて20枚のデッキを作り、参加者同士でフリー対戦を行なう。対戦が終わったら相手を変えたり、第5弾の新カードセットを他のセットと交換したりして、再び対戦を行なうという流れであった。先行体験会に参加した蟲神器プレイヤーは、皆が楽しそうに対戦を行なっていた。 ■ <メガ装甲>セットの強さを実感 筆者も短時間ではあったが、<メガ装甲>セットを使ってデッキを構築し、西田社長と対戦することができた。説明書に従って、スターターから「虹の架け橋」や「蟲の息吹」を投入し、時間稼ぎのために<とびだす>持ちの「ミンミンゼミ」などもチョイスしてデッキを構築した。 <メガ装甲>デッキでは2戦した。西田社長は1戦目、「(幼虫)&胡坐鍋」デッキを使い、アグロ気味に攻撃をしてきたため、縄張りをすべて削られてしまったが、5コストで「フィジーオオウスバカミキリ」、6コストで「メガボール」と、大きな虫を連続して出すことができ、最後は2コストの「セアカゴケグモ」を2体同時に出して、縄張りを削りきって勝利した。 2戦目は、西田社長が「ヘラクレスサン&羽化」デッキを使った。こちらも「ヘラクレスサン」を出されて、頼みの「メガボール」が破壊されてしまったのだが、最後エサ場に7枚カードがあったため「虹の架け橋」で捨て札からメガボールを回収し、そのままメガボールを出してなんとか勝利した。 そのあと、筆者も「ヘラクレスサン&羽化」デッキを作って、小学生の参加者と1回対戦したが、さくっと負けてしまった。蟲神器小学生プレイヤーは強い子が多く、大会などで当たって負けた経験もたびたびある。 先行体験会終了後、参加者は配布されたアンケートに回答し、参加賞のプロモカードをもらっていた。参加者はみんなとても楽しそうで、満足した表情であった。 第5弾「覚醒の真価」の発売時期は冬頃としかアナウンスされていないが、前回や前々回の先行体験会から発売までが1か月程度だったことを踏まえると、第5弾もそう遠くないうちに発売されそうだ。第5弾では、虫に装着する強化カードの重要性が高まりそうだ。特に、<迎撃>や<装着>持ちのカードが増えているので、以前にも増して相手の虫への攻撃タイミングが重要になるだろう。新しいデッキタイプでの対戦が楽しみだ。
HOBBY Watch,石井英男