捕獲開始から約30年。奄美大島「マングース根絶」ドキュメント!!
■根絶宣言をするも新たな問題が...... こうしたバスターズの活躍もあって、18年4月に最後の一頭を捕獲してから、約6年間の調査期間を経て、今年9月に根絶宣言が出された。阿部氏がそれまでの経緯を語る。 「18年の4月以降、わなを仕掛けてもかからず、自動撮影カメラにも写らず、探索犬も見られないという状態が続きました。 そして、研究者の方々に根絶確率を評価してもらい、マングースが奄美大島に残っていない確率は99%くらいでしょうということで、根絶宣言に至りました」 93年のマングース捕獲開始から約30年。ついにマングースを根絶することができたのだ。しかし、これで安心してはいられない。 「マングースは駆除できたのですが、今はノネコの被害が出てきました。昼間、飼い主と暮らしている飼いネコや集落で残飯をもらっている野良ネコが、夜になると山に行ってネズミやウサギを食べたりするんです。 山の中で繁殖するネコもいて、子ネコに食べさせるために固有種のネズミやウサギをくわえて運んでいる写真などがカメラで撮影されています。これは問題なので、今はノネコの対策に力を入れています」 奄美大島の野生動物保護の闘いは、まだまだ続く。 取材・文/村上隆保 写真提供/環境省奄美野生生物保護センター