衆院本会議（春名中撮影）

衆院は9日午後の本会議で解散され、15日公示、27日投開票の日程で行われる衆院選に向け、事実上の選挙戦に突入する。派閥パーティー収入不記載事件を受けた自民党の政治改革の取り組みへの評価が問われる。石破茂首相の就任から8日後の解散で戦後最短となる。就任から投開票までも26日という超短期決戦だ。 【写真】「裏金隠しの解散やめろ」投票箱の前で紙を掲げ強制降壇させられたれいわ新選組の大石晃子氏 自民、公明両党は政権の継続を訴えるのに対し、野党第一党の立憲民主党は自公を過半数割れに追い込みたい考えだ。 首相は8日の参院本会議の代表質問で、政治資金収支報告書に不記載があった議員の公認対応について「各選挙区の事情、当選の可能性などを踏まえ、適切に判断するが、最終的な公認権者は総裁の私だ」と述べた。 自民は週内にも発表する衆院選公約に、党が党幹部らに支給し、使途の報告義務がない政策活動費について「将来的な廃止も念頭に」あり方の見直しを進める方針を明記する。公明は7日に発表した公約の重点政策で、政策活動費廃止や、政治資金を監督する第三者機関設置を明記した。 野党の立民や日本維新の会も公約を発表済みだ。立民は、「政権交代こそ、最大の政治改革」と強調し、企業・団体献金の禁止、政策活動費の廃止など自民よりも踏み込んだ改革を掲げた。 勝敗ラインについて、与党は「自公で過半数」（公明の石井啓一代表）に設定。野党は「自公の過半数割れに追い込む」（立民の野田佳彦代表）と主張している。 9日は午後1時から80分間の党首討論を行い、首相と野田氏らが直接対決する。午後3時半に衆院本会議を開く。冒頭で額賀福志郎議長が解散詔書を朗読し、解散を宣言する見通しだ。 衆院選は令和3年10月の第49回衆院選以来。選挙区定数の「10増10減」を受けた新区割りで初めて実施され、与野党が計465議席（小選挙区289、比例代表176）を争う。