石破氏が「新派閥」自民党の派閥とは? 早稲田塾講師・坂東太郎の時事用語
派閥の現状と今後は
派閥の力が低下したと言われるなかかつて「脱派閥」を唱えていた石破氏が新派閥を作るのはなぜでしょうか。一つには大臣こそ派閥順送りが廃されつつあるも、政府の副大臣、政務官や国会の役職、党役員人事などではまだまだ権限を振るう余地が大きく無派閥のままではそこに仲間を送り込んだり国政選挙で新人に公認をもらったりといった効果が期待できないためでしょう。総務省に派閥を政治団体として届け出れば政治資金パーティーも開けます。パーティーは既存の派閥も有力な資金源としているのでカネの面での配慮でもあるようです。 岸田派は今回の内閣改造での冷遇で反主流派となるかというと、どうもそうした気配がありません。岸田氏自身は総裁選無投票に協力したのに待っていたのがこの仕打ちとなると、反安倍というより「うちのボスは大丈夫か」との方角へ向かいかねません。半面で古賀氏の影響力も衰えるでしょう。「安倍1強」状態維持で打った今回の人事はどうやら安倍氏の勝利に終わりそうです。
--------------------------------------------------- ■坂東太郎(ばんどう・たろう) 毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師、日本ニュース時事能力検定協会監事、十文字学園女子大学非常勤講師を務める。著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。【早稲田塾公式サイト】