綾瀬はるか×大沢一菜×森井勇佑の『ルート29』回想録 友達になった3人が語り合う“誠実さ”とは
『こちらあみ子』以降にあった出来事
──森井監督は『こちらあみ子』以降も大沢さんと会う機会はあったんですか。 森井:会ってました。「公園においでよ」と連絡をもらったので行ったら、一菜の友達が5~6人いて。鬼ごっこしようぜみたいな。 綾瀬:あはは。面白い。 森井:しかもそれが街全体の鬼ごっこだったんですよ。僕が鬼になって「20数えとけ」って言われて、目つぶって数えたらもう誰もいなくて。街をウロウロ探し回っても見つからないんです。 綾瀬:寂しい。 森井:そしたら一菜から電話かかってきて、「もう終わったから」って(笑)。 大沢:友達が「飽きた」って。 森井:いつまで経っても来ないからね、鬼が。 ──じゃあ次は綾瀬さんも誘って鬼ごっこを。 綾瀬:ぜひ。大好きです、そういうの。 大沢:綾瀬さんが鬼だったら、すぐ捕まりそう。 ──森井監督は大沢さんと再びタッグを組んでみて、『こちらあみ子』からどんな変化を感じましたか。 森井:自分で考えるようになりましたよね。『あみ子』のときは、そこらへんで遊んでいたのを引っつかまえて「この台詞言ってくれ」という感じだったんですけど、一人の人間としてちゃんと考えて臨むようになった気がします。最初は今回も『あみ子』の延長線上でやればいいのかと考えてたんですけど、どうも違うかもしれないなと。そこからちゃんと僕も一菜と向き合わないとなと思うようになりました。 ──大沢さんはどうですか。 大沢:自分の中では変化したことはない気がする。 森井:なかなか自分ではわからないよね。 大沢:(もじもじしてる) 森井:何照れてるんだよ(笑)。 綾瀬:(もじもじしてる大沢を愛しそうに見つめる) ──綾瀬さんの目線から愛がダダ漏れしていますね。 綾瀬:初めて出会ったときからもう動物の子どもみたいな感じだったんです。すぐ走って逃げていくところとか。 森井:確かに動きが動物っぽいかも。 ──そんな大沢さんと一緒にお芝居してみた感想を聞かせてください。 綾瀬:一菜ちゃんは目力がすごくて、魅力的な顔してるなと思いました。特に初めて会ったときの、葉っぱからいきなりニョキッと出た顔が、うわ、強いみたいな。 森井:あれ、いい顔してましたね。 大沢:あれはお腹が痛くなったあとでした。 森井:そうだ。ちょっと痛くなったんだよね。 大沢:たぶん緊張しすぎて…。 森井:それはプレッシャーもあるよね。 ──その緊張はどうやってほぐれていったんですか。 森井:虫じゃない? 大沢:一緒にトンボを捕まえて虫かごに入れたり、あとカエルとかカニとかも捕まえたり。そこからちょっとだけ話すようになった。 綾瀬:基本的に空き時間は虫を捕まえたり石で遊んだりしてね。 大沢:行動で話していた。 綾瀬:そうだね。あと何してた? 大沢:アクションごっこしたり。 綾瀬:アクションごっこしたね。 大沢:監督に爆弾投げたりして。 綾瀬:そう。監督をいじって遊ぶのが流行ってた(笑) 大沢:「監督だー!」って爆弾投げて。 森井:すごいいじられていました。またそれを綾瀬さんが喜ぶから。 綾瀬:ごめんなさい(笑)。 森井:綾瀬さんが爆笑するもんだから、うれしくなって一菜がまたいじるっていう。 綾瀬:一菜ちゃんが監督をいじるポイントが独特すぎて面白くて。「首のほくろから毛が生えている!」とか、パワーワードの連続でした。そんな二人を見ながら、本当仲良いんだなって、なんだか微笑ましい気持ちになりましたね。 ──普段よりちょっと童心に帰るような現場だったようですね。 綾瀬:そうですね。すごくアットホームなチームで、みんなで一緒に旅をしながら撮っている感じで。その空気感が好きで、いいないいなって思いながら現場にいました。