鹿島が上位に食らい付くか? 浦和が再び白星先行なるか?
後半戦に突入してから、鹿島アントラーズは3勝1分3敗。タイトルを狙うからには、これ以上の足踏みは許されない。幸い首位のFC町田ゼルビアもここ3試合は勝利なしと失速気味で、鹿島は勝点3差の2位と突き放されずにいるが、後ろを見れば勝点1差に3位サンフレッチェ広島と4位ガンバ大阪、2差で5位ヴィッセル神戸とライバルはひしめいている。しかも『明治安田J1リーグ』第27節の相手は前回もったいない引き分けに終わった浦和レッズである。鹿島としては無敗のホームゲームできっちり勝点3を積み上げなければならない。 【PHOTO】松尾佑介(浦和レッズ) 前節は悔しい逆転負けを喫した。中断明けのサガン鳥栖戦で3-0の快勝を手にした鹿島に対して、相手のジュビロ磐田は5戦白星なしで18位に沈む。しかもチーム32得点の内、21得点を叩き出しているジャーメイン良&マテウス・ペイショットを出場停止で欠いていた。そんな中38分にCF鈴木優磨が正面を射抜くPKを決めて先制すると、前半終了間際には右CKからボランチの知念慶が打点の高いヘディングシュート。相手GKの好セーブに遭い追加点とはならなかったものの、68分にトップ下の名古新太郎がゴール前で落ち着きを見せてゴールネットを揺らして勝負ありと思われたが、シュートの前にハンドがあり、またもスコアは動かず。すると流れは一転。77分ピッチに投入されたばかりの山田大記がスーパーボレーを決めて試合を振り出しに戻すと、89分同じく途中投入の古川陽介に劇的逆転弾を決められたのだった。 試合後、ランコ・ポポヴィッチ監督は「ジュビロの執着心が我々を上回ったと思う。試合をコントロールしていたのは我々だったが、勝つためにどういう選択をしないといけないのか、どういうプレーをしないといけないのかが今日は少し足りなかったと思う」と敗因を口にした。 一方、第25節・柏レイソル戦が雷雨で中止となった浦和は第26節・鳥栖戦からリーグ再開。前半は主導権を握った浦和だが、後半に入って立て続けに鳥栖にチャンスを作られてヒヤリとした。なかなか得点に至らない展開の中迎えた73分、ハーフウェーライン手前でボールを受けた松尾佑介がスピードに乗ったドリブルで左サイドを駆け抜けて一気にゴールを陥れたのだった。しかし、79分井上黎生人のバックパスを相手FWマルセロ・ヒアンに狙われて、GK西川周作がファウルで決定機を阻止。西川は一発退場となり、献上したPKをM・ヒアンが決め切った。その後、M・ヒアンと松尾がGKとの1対1のチャンスを作るも、牲川歩見と朴一圭の両GKが追加点は許さず。1-1で勝点1を分け合った。 ケガ人が続出し、主力に移籍が続いた浦和はここ4試合で2分2敗。9勝7分9敗と五分の星まで後退したが、ペア・マティアス・ヘグモ監督は「試合を通じて、選手たちは素晴らしい姿勢を見せてくれた。今日は少し構造を変えてプレーしたが、いい方向に進んでいたと思う。後半の最後の方にはいい場面がたくさんあった。難しいアウェイゲームで勝点1を得ることができた。選手たちの関係性を深めることを考えると、いいものを持ち帰ることができると思う」とポジティブな言葉を発した。 リーグ戦での通算対戦成績は鹿島が33勝15分敗19敗と勝ち越し。だが直近5試合は5戦連続ドローに終わっている。2か月前に行われた第19節も前半は完全な鹿島ペースで鈴木が2得点をマークするも、後半は一転浦和ペースに。途中出場の武田英寿が投入直後にJ1初ゴールを叩き出すと、試合終了間際には味方もだます直接FKをズバリ。鹿島にとって黒星に等しい、浦和にとって明るい兆しが見えた引き分けとなった。 果たして、鹿島が上位に食らい付いていくのか、浦和が5戦ぶりに白星を挙げるのか。『明治安田J1』第27節・鹿島×浦和は8月17日(土)・県立カシマサッカースタジアムにてキックオフ。当日は「メルカリマッチ~All for One すべては勝利のために~」として開催。「選手オリジナルうちわ」を先着25,000名様に配布する。場内コンコース2か所にこの日のスタメン11選手の大型パネルを設置、12人目の選手として撮影が楽しめる。「クリーニング専科キッズパーク」にはふわふわしかおやフットダーツ、キックターゲット、わなげが登場。チケットは鹿チケ(Jリーグチケット)にて発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。