激戦州で相次ぎ敗北のハリス氏、アラブ票失う…ウクライナ支援は争点ならず
同州には全米で最大級の約100万人の東欧系住民が暮らす。ウクライナ系住民は、東欧系住民にハリス氏への支持を訴えた。しかし、ウクライナ系住民が思うように東欧票がハリス氏に流れることはなかったようだ。ペンシルベニアで、トランプ氏は14万票差で勝利した。
全米ウクライナ人会議フィラデルフィア支部のユージーン・ルシウ会長(66)は、「ウクライナ系住民はハリス氏の支持で結束したが、広がりに欠けた」と振り返り、「トランプ氏は和平のディール(取引)でウクライナにロシアへの領土割譲を求めるはずだ。ウクライナがこれを拒否すれば、米国の支援が止まる」と述べ、危機感をあらわにした。
地元の政治情勢に詳しいペンシルベニア大のエカテリーナ・ロコマン上級講師(39)は「州内では、ウクライナ問題よりもインフレ対策などの国内問題に関心が向いた。ウクライナ系の中でも、母国を知らない若い世代は経済対策に期待が持てるトランプ氏に投票した人が多かったはずだ」と分析した。