鈴木 福が芸歴19年目に辿りついた「俳優業は、キモい」という“感覚”「変だと思うけど、誇りでもある」
「俳優業は、キモい」。そう思う理由は?
――芸能系以外、例えば大学や地元のお友達と比較しても、自分はメンタルが強いんじゃないかと思います? 誰と比べてとかは特にないんですけど……。そもそも、僕の周りには、変なやつが多いんですよ(笑)。大学だけでなく、中学、高校の友達も「普通だなあ」と思う友達はあまりいません。僕が引き寄せてるんじゃないですかね⁉ ――ご自分のことも“変”だと思っていらっしゃるんですね! 周りの友達に「普通じゃないよ、変だよ」と言われますから(笑)。仕事柄、普通じゃないじゃないですか。僕が思うに、俳優業はいわゆる“普通の人”だったらできないというか……何かしらちょっと変なところがある人が向いているのかなあって。だって、キモくないですか? 悲しいシーンをやって涙を流すとか、キモくないですか(笑)? ――「俳優業は、キモい」、パワーワードですね。 もちろん、いい意味で! これも、仕事の優先事項が自分のなかで変化した最近になって思いはじめたことなんです。自分でも気持ち悪いんですよ。だって、自分でもないのに、(台本に)書いてあることから、自分を通してすごく感情が湧いてきて、涙が出てきたり、怒ったり、喜んだりするわけじゃないですか。それでも、変な職業だと思う一方で、作品を見て「すごい」と言ってくれたり、感動してくれる人たちがいるわけだから、やっぱりすごい職業だと誇りに思っています。 鈴木 福(すずき・ふく) 2004年6月17日生まれ、東京都出身。1歳の時に幼児番組「いないいないばあっ!」に出演し芸能界デビュー。2007年にドラマ『君がくれた夏 ~がんばれば、幸せになれるよ~』で子役としてデビューを果たす。11年、『マルモのおきて』に出演。「薫と友樹、たまにムック。」名義による同作の主題歌「マル・マル・ モリ・モリ!」で歌手デビュー。以降、映画、TV、舞台、CM など多岐にわたり活動。最近は情報番組やラジオ・ナレーションなど仕事の幅を広げ、自身のSNSを活用し情報を配信している。
赤山恭子