4年に1度 鶴ケ島の「脚折雨乞」来月4日 全長36メートル、約3トンの巨大な龍蛇、住民ら制作 2日間に分けて作り上げる 当日へ「意地にかけて、やるしかない」
埼玉県鶴ケ島市で8月4日に行われる行事「脚折雨乞(すねおりあまごい)」で使用する龍蛇の制作が、27、28の2日間をかけて行われた。同行事保存会のメンバーを中心に、脚折地区の住民が集まって全長約36メートル、重さ約3トンの龍蛇の体を作り上げた。 巨大な龍蛇を作り上げる住民ら【写真2枚】
脚折雨乞は4年に1度行われる降雨祈願の行事で、江戸時代から続いている。1964(昭和39)年に1度途絶えたものの、住民同士のつながりを深めるために保存会が結成され、76(同51)年に復活した。作った龍蛇を約300人で担ぎ、練り歩いたのち雷電池(かんだちがいけ)で解体する。 龍蛇は、竹を縄で縛って骨組みを作り、その上に麦藁(わら)の束を積んで肉付けする。目や鼻、頭上の宝玉は割いた竹で籠を、耳は藁縄を編むことで形作る。歯と舌はベニヤ板を切り取り、着色する。 使用する竹は、昨年12月に鶴ケ島グリーンパークで切り出し、重さを軽減させるために乾燥させていた。また、麦藁も脚折地区住民からの協力を得て昨年から麦をまき、3度の麦踏みを経て6月に収穫した。 保存会の横沢運治会長は、「雷雨の予報があり、麦藁をぬらさないために制作を2日に分けたのが成功だった」と龍蛇制作を振り返った。雨乞当日に向けて、「脚折の意地にかけて、やるしかない」と力強く宣言した。