アフリカ連合（AU）の疾病対策センター（CDC）は13日、エムポックス（サル痘）の新たな変異種がコンゴ民主共和国の国境を越えて拡大しているとして、「大陸の安全に関する公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。 感染が驚くべき速度で広がっているという。 エムポックスは濃厚接触によって感染し、インフルエンザに似た症状と、膿が詰まった病変を引き起こす。 エムポックスの新たな変異株は、特に子供の間で密接な接触を通じて、従来よりも簡単に広がるようだ。疫学者のサリム・アブドゥル・カリム氏は、この問題は考えられていたよりも深刻かもしれないと話す。 感染症の専門家　カリム氏 「感染者数や死者数に関する我々のデータは、氷山の一角に過ぎない。その理由は、エムポックスが主に軽度の症状だからだ。我々の監視や必要な検査を行う能力も限られている。接触者追跡や報告を行う能力も限られている」 CDCによると、今年これまでにアフリカでは1万5000件以上の症例と、461件のエムポックスに関連した死亡が報告されている。これは前年同期比で160％の増加だ。 エムポックスは1970年に初めてヒトへの感染が確認されて以来、数十年にわたってアフリカの一部地域で風土病となっている。 2022年にはより軽度の型が、主に性的接触を通じて、100カ国以上に広がった。これを受けて世界保健機関（WHO）は最高レベルの公衆衛生上の緊急事態を宣言した。その後収束し、10カ月後に緊急事態宣言は解除された。