疲弊したウクライナ軍の精鋭・第47旅団がようやく休息 1年以上連戦、M2補充か
ウクライナ軍が2023年6月に鳴り物入りで始めた南部反転攻勢で、陸軍の第47独立機械化旅団は前線に投入された。所属部隊は、フィンランドから供与されたレオパルト2R地雷除去車、欧州諸国から供与されたレオパルト2A6戦車、米国から供与されたM2ブラッドレー歩兵戦闘車などに乗り込んでロシア軍の敷設した地雷原の突破を図ったが、それは思いのほか密度が高く、苦戦を強いられた。 失敗に終わり、今度は大げさな非難を浴びることになったこの反転攻勢は、北大西洋条約機構(NATO)の訓練を受けた精鋭部隊である第47機械化旅団にとっても代償の大きいものだった。数カ月間にわたって困難な攻撃を続けた結果、レオパルト2Rの少なくとも半分、レオパルト2A6数両、ブラッドレー数十両を失った。多数の人員を失ったのは言うまでもない。総勢2000人のうち数百人を損耗した可能性もある。 激戦で疲弊しているにもかかわらず、第47機械化旅団は休息の機会を与えられず、さらに1年のあいだ戦い続けることになった。そして9月上旬にようやく、直近の配置先だった東部ドネツク州の激戦地ポクロウシク方面を離れ、西へ100kmほど離れた比較的安全なパウロフラード市に移った。 第47機械化旅団はここで新兵を受け入れたり、戦闘で損傷した装備を修理したりしているとみられる。さらに、これが最も重要かもしれないが、米国から新たに供与されたブラッドレーを受け取る準備をしているようだ。ウクライナ軍屈指の優秀な旅団が、同軍で使われている最も優秀な車両を追加取得しようとしているということだ。ブラッドレーは強力な25mm機関砲とTOW対戦車ミサイル発射機で武装し、爆発反応装甲で防護を強化した重量約30t、乗員3人、搭乗可能な歩兵7人、装軌式の装甲車両である。 第47機械化旅団がポクロウシク方面から離脱したのと同じころ、米政府がウクライナへの2億5000万ドル(約360億円)相当の新たな軍事援助パッケージを発表したのは偶然ではないだろう。追加供与される兵器には、1990年代製で1両数百万ドルのブラッドレーも含まれていた。