センバツ高校野球 北海3年ぶり「春」 別海「初」21世紀枠(その2止) /北海道
◇旋風、次は全国制覇へ 「よっしゃぁー」。出場校発表のインターネット中継で校名が読み上げられると、体育館に集まった別海の生徒約250人が一斉に歓声を上げた。部員らは右手の人さし指を掲げて円陣になり、喜びを分かち合った。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 秋の道大会準決勝では強豪・北海と終盤まで互角に戦った。惜しくも敗れたが、選手16人で初の4強まで勝ち進み、「別海旋風」を巻き起こした。 本番に向けた課題は、今大会から本格導入される低反発の金属製バットへの対応だ。秋季大会でここ一番で結果を残してきた中道航太郎主将(2年)は「グリップが細く、芯に当たらないと打球が飛ばない」。このため、バットと同じくらいの長さの鉄の棒を振り、確実に当てる練習にも重点を置いている。 雪で臨時休校となることもあり「雪がなければ外でもっと練習ができるのに」と北国ならではの悩みも。それでも「雪の上を走ることで筋肉トレーニングにもなる」と前向きに取り組んでいる。 島影隆啓監督は「こんな小さな町のこんな小さな学校で、本当にでっかい夢を実現してくれた。人数が少なくても勝てると、郡部校の希望になったと思う」と顔をほころばせた。その上で「僕らは『無理だよ』と言われていた甲子園に出られた。出るからには全国制覇を目指してやります」と語った。【本間浩昭】 ……………………………………………………………………………………………………… ◆別海 ◇校訓は「日日是新」 1950年創立の道立高。別海町唯一の高校で、普通科と酪農経営科がある。家族が酪農や農業関係の仕事に従事する生徒も多く、酪農経営科では乳製品加工や家畜ふん尿処理などを専門的に学ぶ授業もある。校訓は「昨日までの自分を捨て、もっと明るく充実した日にしよう」という意味の「日日是新」。野球部は78年創部。2000年、19年に続いて3度目の出場となった昨秋の道大会では、春・秋の道大会、夏の北道大会を通じて初勝利を挙げた。 ……………………………………………………………………………………………………… ◆別海の昨秋の公式戦 ◇釧根地区 2回戦 ○6―2釧路明輝 3回戦 ○6―1釧路工 代表決定戦 ○5―1釧路江南 ◇道大会 2回戦 ○4―3苫小牧中央 準々決勝 ○4―3知内 準決勝 ●1―6北海