忘年会で同僚が「40代で貯金額が1000万円に到達した」と言ってました。わが家は100万円程度しか貯めてないのですが、少ないのでしょうか?
貯金額が100万円ほどしかない場合、同僚が40代で貯金額が1000万円に到達したと聞くと不安に思うかもしれません。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい? 果たして、40代で貯金100万円というのは少ないのでしょうか。今回は、40代の貯金額の平均を調べてみます。
40代の平均貯蓄額
40代の平均貯蓄額について、「家計の金融行動に関する世論調査」(令和5年)によると、40代の単身世帯では約275万円、世帯主が40代の二人以上世帯では平均約361万円というデータがあります。 40代の平均貯蓄額と比較すると、100万円の預貯金は少ないといえるでしょう。 ■一人暮らしの貯蓄は2万円台 株式会社AlbaLinkが実施した「一人暮らしの貯蓄額に関する意識調査」によると、一人暮らしをしている506人を対象に、月々の貯蓄額を調査した結果が明らかになりました。 回答者の年代構成は、10代が0.6%、20代が28.9%、30代が35.7%、40代が23.9%、50代が8.5%、60代以上が2.4%という内訳です。一人暮らしの1ヶ月あたりの貯蓄額は表1の通りでした。
出典:株式会社AlbaLink「一人暮らしの平均的な貯金額に関する意識調査」1人暮らし1ヶ月の貯蓄額を基に筆者作成 一人暮らしの月の平均貯金額は2万7812円です。この調査から一人暮らしでは貯蓄額に大きなばらつきが見られ、多くの人が少額ずつでも貯蓄をしている一方で、全く貯蓄ができていない人も一定数いることが分かります。 さらに、理想的な月々の貯蓄額についての調査では、平均6万526円という結果となり、実際の貯蓄額と理想との間にはギャップがあることが分かります。
40代から始める効果的な貯金方法
40代は働き盛りの年代である一方、老後の資金計画を真剣に考え始めるタイミングでもあります。将来の年金収入だけでは十分な生活が難しい可能性があるため、一定の貯蓄を築いておくことが重要です。 ■家計の見直しから始める 効率よく貯蓄するには、まず家計の状況を確認し、無駄な出費を減らすことが欠かせません。食費や光熱費などの支出、給与や副収入などの収入を把握することで、貯蓄可能な金額が明確になります。 家計管理をする際は、家計簿をつけるのがおすすめです。特に、スマートフォンの家計簿アプリを活用すれば、銀行口座やクレジットカードと連携できるため、手間をかけずに支出を管理できます。 家計状況を把握したら、食費や住居費、通信費、保険料などで削減可能な項目がないか確認しましょう。例えば、外食やカフェ利用の頻度を減らすだけでも節約効果が期待できます。また、通信費が高い場合には、格安SIMに乗り換えることで、固定費を抑えられるかもしれません。 さらに、医療費や介護費については、「高額療養費制度」や「高額介護サービス費制度」を活用すれば、自己負担の上限を超えた分が払い戻されることがあります。費用が高額になった際は、市区町村の窓口で確認してみましょう。 ■先取り貯蓄を実践する 先取り貯蓄は、給与が振り込まれた時点で一定額を自動的に貯蓄に回す方法です。40代は教育費や住宅ローンなどで出費が多くなりがちですが、この方法を取り入れれば確実に貯蓄を増やせます。 具体的な方法としては、勤務先の財形貯蓄制度や、銀行口座から貯蓄用口座への自動振替設定などがあります。生活費と貯蓄目標のバランスを考え、無理のない金額を設定することがポイントです。 ■預貯金と投資の組み合わせ 資産形成を進めるには、預貯金だけでなく投資も視野に入れましょう。投資は元本保証がないものの、預貯金よりも高いリターンが期待できます。 つみたてNISAなどの制度を活用すれば、年間40万円までの運用益が非課税になるため、投資初心者でも取り組みやすいでしょう。対象商品は金融庁の基準を満たした投資信託に限定されているため、リスクを抑えながら資産を増やすことができます。