<水沼貴史氏が分析>なぜザックJは変わったか?
特にショートカウンターには、前線からの守備意識の高さがすごく重要になる。つまり、ごく普通のことを求められるようになったわけであり、プラスアルファを求めていっても実践できるレベルにあることが証明されたことにもなる。 ■チーム状態はどん底だった? チームというものは生き物であり、いい調子をずっと持続できるわけではない。ザックジャパンは負のスパイラルに入りかけていたというか、もしかしたらどん底まで落ちていたかもしれない。 ザッケローニ監督はもちろん、実際にプレーしている選手たちも責任を感じていたはずだ。だからこそ、強烈なインパクトを残すには、今回の2試合しかないという覚悟が、こちらにも伝わってきた。 2対2のドローで終わったオランダ戦は、決してよくなかったイメージから上昇に転じ、来年のW杯イヤーを迎える「きっかけ」にはなると思う。しかし、結局は、勝てなかった現実を選手たちが悔しさとともに受け止めていることも、ある意味ではよかったと思う。 謙虚になるべきところは謙虚になり、我慢すべきところは我慢して、できた点できなかった点をしっかり分析して整理する。それらをチームとして話し合い、お互いの拠り所といったものを見い出しながら、今年の最終戦となる日本時間20日早朝のベルギー代表戦に臨んで欲しい。 (文責・水沼貴史/元日本代表MF/構成・藤江直人)