もし日本で『ジョーカー』リメイクなら…主役にふさわしい俳優は?(1)悪役を演じたら現役最強…トップ俳優は?
アメコミが生んだ最大のアンチヒーロー・ジョーカー。これまで『ダークナイト』(2008)『ジョーカー』(2019)といった作品で、名だたる名優がジョーカーに扮し、話題を集めてきた。今回は「日本でジョーカーを演じるなら誰がハマるのか?」をテーマに5人の俳優をセレクト。想像力の羽を広げ、深掘り考察していく。第一回。(文・shuya)
菅田将暉
日本の俳優界を牽引している菅田将暉。役者業以外にも音楽活動も精力的に行い、芸能界のトップを走り続けている。まだ31歳(2024年10月4日現在)という若さではあるが、今まで何度も映画やドラマの主演に抜擢され、作品を成功に導いている。 芸達者ばかりの30代俳優の中でも、国民的俳優と呼ばれるにふさわしい実力とキャリアを持つ者はほんの一握り。そのうちの1人に菅田の名前を挙げることに異論を唱える者は少ないだろう。そんな菅田の卓越した演技力は、「良い人」の役よりも「怖い人」を演じることでより一層際立つ。 今までにない“考察系ドラマ”として社会現象を巻き起こした『3年A組ー今から皆さんは、人質です』(日本テレビ系・2019)は、菅田演じる高校教師が生徒を人質にとり、数ヶ月前に自殺した生徒の真相を探る物語だ。 生徒役に永野芽郁や川栄李奈、片寄涼太など豪華俳優陣が名を連ねたことでも世間の大きな注目を集めた本作だが、中でも菅田の演技は桁外れに素晴らしかった。教師らしからぬ狂気的な振る舞いで生徒を追い込む姿は、観る者を戦慄させると同時に、深く魅了した。 また、野木亜紀子が脚本を務めたドラマ『MIU404』(2020、TBS系)では、ラスボス・久住を怪演。何を考えているかわからない、エキセントリックな悪役像を見事に造形し、ドラマの格を引き上げることに成功した。特に、船上で行われた最後の大立ち回りは圧巻の一言。最後の最後まで視聴者を翻弄し続けた。 そんな久住の姿は、ジョーカーと合致する部分がいくつもある。きっと、菅田ならジョーカーの持つ内面の葛藤を自身のうちに落とし込み、観客を圧倒する芝居で伝説を作ってくれるに違いない。 (文・shuya)
shuya