観客トラブルで終了間際に約2時間の中断…アルゼンチンの劇的後半AT弾が2時間後に無効→最後は無観客の中でモロッコが白星発進
パリオリンピック2024(パリ五輪)・グループB第1節が24日に行われ、U-23アルゼンチン代表とU-23モロッコ代表が対戦した。 パリ五輪のサッカー競技は開会式よりも早く開幕。2004年のアテネ五輪と2008年の北京五輪で連覇を飾ったアルゼンチンは、2023U-23アフリカネイションズカップで頂点に立ったモロッコと相まみえる。 アルゼンチンを率いるハビエル・マスチェラーノ監督は、FIFAワールドカップカタール2022でA代表の一員として優勝を経験した“10番”のティアゴ・アルマダを筆頭に、ルーカス・ベルトランやクリスティアン・メディナらをスターティングメンバーにチョイス。コパ・アメリカ2024で優勝を成し遂げ、オーバーエイジとして大会に参戦しているヘロニモ・ルジ、ニコラス・オタメンディ、フリアン・アルバレスも全員先発に入った。一方で、モロッコ代表もオーバーエイジとして参戦しているアクラフ・ハキミやスフィアン・ラヒミらが先発に名を連ねた。 試合は立ち上がりからアルゼンチンが前へ出るも、なかなか効果的にゴール前に侵入することはできない。対するモロッコは23分、右サイドからカットインしたイリアス・アコマックが思い切り良く左足を振り抜くも、ここは枠を大きく外れた。 このままスコアレスで前半アディショナルタイムに突入したものの、ここで試合が動く。モロッコは敵陣右サイドから崩しにかかると、アコマックからのスルーパスでビラル・エル・カンヌスが右ニアゾーンに侵入。鋭いボールを中央へ送ると、最後はラヒミがダイレクトでゴールネットを揺らす。モロッコが先手を取って前半を終えた。 後半に入ると立ち上がりの49分、右サイド深い位置で粘りを見せたアコマックがオタメンディを振り切り、ドリブルでペナルティエリア内に侵入すると、後ろから倒され、モロッコがPKを獲得。このPKをラヒミがゴール左下隅に蹴り込み、モロッコがリードを広げた。 2点ビハインドとなったアルゼンチンは55分、ケビン・セノンを下げてジュリアーノ・シメオネをピッチへ送り出す。すると68分、そのシメオネが大仕事をやってのけた。ボックス左のスペースで右からのクロスボールに反応したフリオ・ソレルが胸トラップから左足を振り抜く。シュートはポストの右に外れるかと思われたが、このボールに飛び込んだのがシメオネ。ダイレクトでゴールネットを揺らし、1点を返した。 その後、アルゼンチンは前への姿勢を強めるが、逃げ切りを図るモロッコ相手に同点弾を挙げられない。ところどころで試合が止まったこともあり、15分間にものぼったアディショナルタイムでもなかなか同点弾が生まれず、試合はこのまま終了かと思われたが、最後の最後にドラマが待っていた。 アルゼンチンは敵陣でボールを奪うと、セカンドボールを拾ったアルマダが巧みなタッチで相手2人を抜き去り、自ら右足を振り抜く。ここはブロックされたものの、こぼれ球を拾ったアルマダが再び狙う。枠を捉えた一撃がGKムニル・モハンド・モハメディに弾かれると、今度はセカンドボールにオタメンディが反応。ディフレクションした一撃がクロスバーを叩くと跳ね返りをブルーノ・アミオネがヘディングシュート。再びクロスボールに嫌われたものの、最後はメディナが頭で詰め、遂に試合を振り出しに戻した。 このゴールに対してVARが介入したが、観客がピッチに入り込んで試合は一時中断。アルゼンチンのゴール付近には大量のボトルが投げ込まれ、ピッチ上は混乱状態となり、主審は選手をピッチ上から引き上げさせることに。試合は2時間近く中断した後に無観客の状態で再開。ここでVARによってアルゼンチンのゴールがオフサイドと判定されて無効に。その後、3分間プレーしたのちに試合は終了し、最終的にはモロッコが1-2で勝利した。 次節は現地時間27日に行われ、アルゼンチンは27日にU-23イラク代表と、モロッコはU-23ウクライナ代表と、それぞれ対戦する。 【スコア】 U-23アルゼンチン代表 1-2 U-23モロッコ代表 【得点者】 0-1 45+2分 スフィアン・ラヒミ(U-23モロッコ代表) 0-2 49分 スフィアン・ラヒミ(U-23モロッコ代表) 1-2 68分 ジュリアーノ・シメオネ(U-23アルゼンチン代表)
SOCCER KING