トヨタ株主総会、豊田会長の取締役選任が焦点に-相次ぐ不正発覚で
株主提案も
また、今年の総会では気候変動関連の渉外活動に関する情報開示を強化するよう求める株主提案が出されている。昨年の総会では類似の提案に対する賛成率は15.06%にとどまった。
同提案についてグラスルイスは反対を推奨した一方、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は「トヨタグループ企業のコンプライアンス上の懸念が指摘される中、パリ協定に沿った透明性のある情報開示を通じて信頼回復につながる提案だ」と評価し、賛成推奨としている。
トヨタの取締役会は、開示の在り方は適時に変化させていく必要があり、「会社の組織・運営の基本的事項を定める定款に本議案のような個別具体的な業務執行に関する事項は規定せず、現行の定款を維持したい」として反対を表明している。定款変更には株主総会での特別決議が必要で、議決権の3分の2以上の賛成で決議される。
株主提案を行ったデンマークの年金基金アカデミカーペンションのアンデルス・シェルデ最高投資責任者はインタビューで、トヨタが21年から気候変動政策に関する渉外活動の開示を始めたことを前向きに評価した上で、「かなりの改善の余地がある」との見方を示した。具体例として、トヨタの直接的な渉外活動に関する情報開示の改善や同社が加入する団体のレビューを行った第三者の開示が必要と述べた。
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Tsuyoshi Inajima, Nicholas Takahashi