このふざけた「おにぎりボディ」はなんじゃ……と思ったら偉大なご先祖! フィアット500eも600eも「X1/23」のおかげで誕生した
いまや大メーカーは電動化車両に予算も技術も人員も全フリ
欧州委員会が2022年に「2035年以降の内燃機関車の販売禁止」というちょっと考れば誰にだって無理なのがわかることをいい出してから世界中の自動車メーカーが翻弄されて、ヨーロッパの自動車メーカーは一気に電動化へと舵を切った。 【画像】フィアットX1/23のフロントまわりなどの画像を見る クルマの開発にまつわるリソース、つまり予算も技術も人員も、電動化車両に(ほぼ)全フリだ。内燃エンジンのクルマの生産をやめちゃう宣言をするメーカーも現れたし、そうでなくても発表される新型車に内燃エンジンのみというモデルはほとんどなくなった。 2023年の春にドイツの提案を受けるかたちでe-FUELという代替燃料ならカーボンニュートラルを達成できるからOKみたいな方向で2035年以降の内燃機関車の販売が認められることにはなったけれど、いや、だからって大きく強く動き出しちゃった流れを再転換させるのは難しいし、何より“CO2=人類の敵”が前提で自動車からの排出量が最大の問題とされる以上、バッテリーEVを中心に据えた自動車の電動化の波を止めることはできないだろう。 でもまぁバッテリーEVはバッテリーEVで楽しいし、最近のモデルは航続距離とかもだいぶ実用的になってきてるよなぁ……。 いや、どうしてそんなことを考えちゃったのかというと、試乗用としてしばらく預かっているフィアット600eが、日常を共にしていてかなり楽しい気分になれるクルマだし、バッテリーEVとしても自動車としてもなかなかの出来ばえを見せてくれてるからだ。 アバルト500eも破天荒なぐらい刺激が強烈で僕は大好きだし、それもベースとなったフィアット500eの出来ばえのよさと楽しさの素養があったからこそだと感じてはいるけど、ステランティスのグループとしてのメリットを活かして開発された世代の新しい600eは、頭の高さがひとつ上だな、と思う。 そこで、ふと思った。そういえば、フィアットが初めて手がけたバッテリーEVって何だったっけ? と、たしか四角いスタイルのフィアット・チンクエチェントを除けば、3代目に数えられるフィアット500にも、2013年にアメリカ限定で少数だけどバッテリーEVが発売されたことがあった。 2019年には何だかパンダっぽいチェントヴェンティっていうコンセプトカーも発表してたし、パンダといえば初代をベースに14kWhのモーターを積んで1990年に一般販売したけど高価すぎたり充電に時間がかかりすぎたりして地方自治体以外にはさっぱり売れなかった、パンダ・エレットラっていうヤツもあったな。 いや、調べはじめたら出てくる出てくるたくさん出てくる。でも、もっと古くからバッテリーEVを実験的にやってたような……。
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