健康⾯でも注⽬のラズベリー なぜ冷凍でしか売っていない?
こんな苗がおすすめ
ラズベリーやブラックベリーの苗木は秋から春にかけて、通信販売や園芸店で購入することができます。特定の品種を指定して購入する場合は通信販売が便利です。最近では園芸店やホームセンターなどで販売されるポット苗でも品種名を明記したものがふえ、代表的な品種のなかから選んで入手することもできるようになっています。ポット苗は株分けやさし木、とり木でふやした1~2年生苗がほとんどです。枝が太く、根がしっかりとポット内に張っていそうな苗を選びましょう。今年の結果母枝が多く立っているものは、根の張りがよいようですが、鉢によっては前年の結果母枝が残っている場合もあるので気をつけましょう。
品種選びの注意点
ラズベリー、ブラックベリーは栽培適地に違いがあるため、地域に合った種類や品種を選ぶことが重要です。ラズベリーは関東地方以西でも育ちますが、耐寒性が強く、夏期が冷涼な地域により適し、リンゴの栽培適地と類似しています。一季なり性と二季なり性の品種がありますが、秋に台風が多い地域では、二季なり性の品種は移動させやすい鉢植えが向いています。一方、ブラックベリーは耐寒性がやや弱く、関東地方以西でよく育ち、夏期の気温が高く、雨量が多い暖地向きです。栽培適地はミカンと類似しています。またラズベリー、ブラックベリーともに扱いやすいとげなしやとげが小さい品種もあります。用途や仕立て方に合わせて、品種を選びましょう。なお、鉢、庭ともに植えつけの適期は3月、9月下旬~11月上旬です。
果実の健康機能性に注目
ラズベリー、ブラックベリーの果実にはビタミン、ミネラル、有機酸だけでなく、糖尿病や大腸疾患に予防効果のある食物繊維を多く含んでいます。さらにアントシアニンやポリフェノール類などの機能性成分を含んでおり、それらの成分は体内でふえた活性酸素を除去することで、体を守り(抗酸化作用)、生活習慣病や老化を防ぎます。特に黒ラズベリーには、ラズベリー、ブラックベリーと比較して機能性成分が多く含まれ、アントシアニンの含量はハイブッシュ系ブルーベリーを超える高さです。また、葉にはポリフェノールが豊富で高い抗酸化活性を示し、欧米ではお茶などに利用されます。ラズベリーやブラックベリーは健康機能性素材として今後さらに注目されることでしょう。 *本記事は『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ ラズベリー ブラックベリー』(NHK出版)を抜粋・再編集したものです。