ガレージの魅力を知らない人が多すぎる! 「マイホームのとき絶対に検討するべき!」と建築家が声高に言うワケ
---------- 人生でいちばん高価な買い物、マイホームをせっかく建てたのに、「こんなはずじゃなかった」と後悔する人があまりに多いのはなぜなのか? 気鋭の建築家・内山里江氏は言います。 「日本人が家づくりに失敗する最大の理由は、たとえば『家は南向きじゃなきゃダメ』とか『窓は大きいほうがいい』といった『間違った常識』によるものです。私は本書でそうした間違った常識をすべてひっくり返します」 内山氏の最新刊『家は南向きじゃなくていい』から、間違いだらけの家づくりをしないための方法を連載形式でお届けします。 ---------- 120万円で手に入る自分だけのオンリースペース「ガレージ」の魅力
意外と知られていないガレージの魅力
戸建てのおうちを建てられるかたは車をお持ちのケースがほとんどです。そこで、敷地面積に余裕があればぜひともおすすめしたいのが「ガレージ」です。 一般的に、家の一角に設ける形で3方向が壁に囲まれており、屋根があるスペースのことをガレージといいます。車庫として、あるいはちょっとした趣味のスペースとして使うかたもいらっしゃいますが、実はこのスペースがもたらす価値は非常に大きなものがあります。 まず一つは、車が傷みにくく、長持ちすることです。我が家にもガレージがあります。私はけっこうな距離を車で移動しますが、車検の際、傷んでいる箇所がほとんど見つかりませんでした。洗車の頻度も手間も減って助かっています。 もう一つのメリットは、天気のよくない日も雨に濡れずに車から家の中へ移動できることです。荷物をたくさん抱えて車から降り、傘をさして家の中に入る大変さは車をお持ちのかたはご存知だと思いますが、あのストレスから解放されるのは大変大きな利点です。 また、出入りのタイミング以外は常にガレージのシャッターを下ろしておけば、在宅か不在かを周りに知られずにすむので防犯の面でも安心です。
人生全体でのメリットが大きい
ガレージをつくるには、車1台あたり6坪(19.8平方メートル)程度の面積が必要です。建築費は200万円程度が目安です。車2台なら12坪(39.6平方メートル)、400万円程度ですね。プラス、シャッター代がかかります。手動か電動かなどの性能でシャッターの金額には差がありますが、電動のほうが圧倒的に便利です。 これだけの面積・金額面でのコストをかけてまでガレージをつくる価値があるのか、と思う人もいらっしゃるでしょう。個人的には「ある」と断言します。前述したようなメリットを私自身が体感していることもありますが、コスト面でも絶対に損はしないと確信しているからです。 車は数年ごとに買い替えるものであり、10年以上乗り続けることはそんなに多くはありませんよね。仮に20歳から80歳までの60年間、車に乗るとしましょう。一生でだいたい6台くらいの車に乗ることになるはずですが、ガレージのおかげで車がそれぞれ数年分ずつ長持ちするようになれば、6台のところを5台にできます。その浮いた1台分のお金をガレージの建築費にまわすと考えればいいのです。 そう考えると、短期的にはプラスの出費かもしれませんが、人生全体のスパンで見るとそんなに大きなコストではありません。車を頻繁に買い替えたい人には関係ない話かもしれませんが、多くの人は愛車を大切に長く乗り続けたいはずです。ガレージは車好きのかたには心底喜ばれる選択肢なのです。 続きは<120万円で手に入る自分だけのオンリースペース。見落としがちな「ガレージ」の魅力>で公開中です
内山 里江(一級建築士 株式会社コモドデザイン代表)