ECB当局者、追加利下げ見込む-仏中銀総裁は市場の見方に同意
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁は、2025年には金利がさらに引き下げられるだろうとした上で、投資家が100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上の緩和を予想していることは妥当だと述べた。
ビルロワドガロー氏は13日、BFMビジネステレビの番組で「来年はさらなる利下げが複数回行われるだろう」と語った。
ECBは特定の金利軌道にあらかじめコミットしているわけではないが「金融市場の予測に対して特に異論はない」と付け加えた。スワップ市場は、来年末までに約120bpの利下げを織り込んでいる。
ECBは12日、3会合連続の利下げを実施し中銀預金金利を3%とした。景気抑制的な金融政策を必要な限り維持するという文言も削除し、25年にはさらに利下げをする可能性が高いことを示唆した。
ECBは成長見通しも引き下げ、来年の成長率をわずか1.1%と予測した。
13日に発表されたデータによると、ユーロ圏の10月の鉱工業生産は前月比横ばいと、10-12月(第4四半期)の先行きを不安視させる内容。また、ドイツ連邦銀行(中銀)は、独経済が今年も縮小し来年もわずかな成長にとどまるとの見通しを示した。
スロベニア中銀のバスレ総裁は13日、同中銀のウェブサイトで、「ユーロ圏の経済成長は今後数年間で勢いを増すだろうが、製造業の厳しい状況と輸出の低迷により短期的には減速するだろう」との見通しを示した。
ビルロワドガロー氏は、ECBの行動には規模、コミュニケーション、ペースの3つの方法があり、これらを同時に駆使することができると述べた。「これまでそうしてきたし、来年もできるだろう」と語った。
ECBの政策金利は抑制的でも緩和的でもない中立水準を依然として大幅に上回っているとの認識を示した。中立水準の推定レンジは1.7-2.5%だと付け加えた。正確にどの位置にあるかは仮想的な議論になるが、「余裕はある」と述べた。