「殺しても正当防衛になるのか」闇バイト対策で木刀準備する人も…被害者に残る心の傷、80代女性は"認知症"のように
●被害者の嘆きや苦しみ「1000万円の強盗にあった」
強盗や振り込め詐欺など、闇バイトの被害にあった人たちは、金銭的な被害だけではなく、心にも深い傷を及ぼす。 あるアミューズメント施設で働いていた女性は、新型コロナが流行する前に、職場が強盗に襲われる被害に巻き込まれた。 「閉店後、お金を事務所に持って行くところで、一緒にいた事務員と強盗に襲われました」 2人の男から売上金の入ったバッグを強奪された事務員の男性は顔面から流血したという。 幸い女性のケガはかすり傷で済んだが、覆面をかぶった男に後ろからつかみかかられ、精神的なショックなどもあり、しばらくして仕事を辞めたという。 1000万円以上を盗んだ犯人たちは後日逮捕された。元従業員が主犯としてSNSで「闇バイト」「裏バイト」として仲間を募ったことが明らかになった。
●「高齢の母は闇バイトの被害で一気に認知症のような症状に」
福岡県在住の50代女性は、遠方に一軒家で独居する80代の母親が「オレオレ詐欺に引っかかり150万円盗られた」と明かす。 女性によると、母親は昨年、犯人の指示のもとで銀行から金を引き出し、渡してしまったという。 再び狙われる可能性を警察から指摘されたことで、女性は母親の固定電話を解約。さらに、玄関には防犯カメラ、室内には見守りカメラなどを設置した。 しかし、金銭的な被害以上に深刻だったのは、事件による精神的な影響だった。一気に認知症のような症状になり、困っているという。 「被害の直前まで認知機能には、まったく問題がなかったのに、急に言葉が出てきにくくなり、10秒くらいで物事を忘れてしまうようになりました」 「母は、性格も多重人格のようになり、見たこともない形相で怒り出したりするようになりました」 母親の記憶では、受け子役は茶髪の男だったようだが、「詐欺にあった当日の様子の記憶がまだらで、警察に明確に説明できない」と嘆く。 慎重な性格だったのが嘘のように変わり、「インターホンが鳴っても、人を確認せずに出てしまうようになってしまい、もし再び悪い奴が来ても出てしまいそうで怖い」と話す。 「闇バイト犯罪者たちの今回のような強盗殺人も、許されることではなく激しい怒りを感じますが、うちの母のようにお金を盗られたショックで、心がおかしくなってしまった人間もいるということをお伝えしたいのです。 もっと罪を厳しくしないと、目の前の儲け話しか見えてない愚か者の奴らには罪深さが伝わらないのではないかと強く思います」