米FDIC総裁が来年1月に退任、後任にヒル副総裁の公算
Pete Schroeder [ワシントン 19日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)のマーティン・グルーエンバーグ総裁が来年1月19日付で退任する意向を示し、来年1月20日に就任するトランプ次期大統領(共和党)が次期総裁を指名する。ロイターは今月、次期総裁に共和党員のトラビス・ヒル副総裁が就く公算が大きいと報じた。 ヒル氏の広報担当者はコメントを差し控えている。 民主党員のグルーエンバーグ氏は米銀行に厳しい姿勢で臨んできた。昨年春に3つの地方銀行が相次いで経営破綻してから約1年半が経過し、トランプ次期政権下で銀行規制の大幅な見直しが予想されている。 FDICは他の金融規制当局とともに米銀行の監督責任を負っており、いくつかの新たな規則策定に携わっている。グルーエンバーグ氏の退任は、地方銀行に対する新たな長期債務要件をどのように定めるのかや、銀行の自己資本規制「バーゼル3」の最終化を巡る規則案などの先行きに対する疑念を深めている。 グルーエンバーグ氏はFDIC職員へのメッセージで、バイデン大統領に辞意を伝えたと説明して「FDICに勤務できたことは、私のキャリアの中で最大の名誉だった」と記した。 FDICを巡っては大規模な不正行為が2023年11月に報じられ、グルーエンバーグ氏は後任が承認され次第退任する意向を今年5月に示した。バイデン氏は商品先物取引委員会(CFTC)委員のクリスティー・ゴールドスミス・ロメロ氏を指名したが、米議会上院銀行委員会の共和党トップのティム・スコット上院議員は18日にロメロ氏の指名を撤回するように求めた。