川勝知事、リニア環境対策に道筋 辞職願提出、発言「迷惑かけた」
静岡県の川勝平太知事(75)は10日、県庁で記者会見し、辞職願を提出した理由に関し、JR東海がリニア中央新幹線の2027年開業を断念し、環境対策に道筋が付いたためだと説明した。県職員への訓示で職業差別と批判された自らの発言にも触れ「県民に大変な迷惑がかかっている。それを早く止め、県政の空白を短くするため」と述べた。当初は6月県議会で辞職する意向だった。 辞職に伴う知事選に前浜松市長の鈴木康友氏(66)氏が出馬の意向を固めたことが10日、関係者の取材で判明。県選挙管理委員会によると、5月9日告示、同26日投開票となる公算が大きい。週内にも確定する見込み。 リニアの環境対策を巡り、川勝氏は10日の会見で、27年開業の断念でJR東海と国、県で解決に向けた協議が進むとの認識を示した。「元の事業計画が崩れ、ようやく道筋が見えた。後は任せていいと思った」と言及。自らの立場を「推進派であることに変わりない」と語った。
静岡工区は、川勝氏が着工を認めておらず、トンネル掘削工事を始められない状況が続く。