平均320ヤード時代も近い⁉ 330ヤード砲のルーキー・出利葉太一郎がプロ2戦目で初の決勝進出
<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 2日目◇22日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇7036ヤード・パー72> ■元祖320ヤード砲 河本力が”飛ばし方”をリキ説【レッスン動画】 今春、日本大学を卒業した注目ルーキー、出利葉太一郎(いでりは・たいちろう)が覚醒するか。プロ転向後レギュラーツアー2戦目の今大会で、2日間トータル7アンダー・19位タイで初の予選通過を決めた。 福岡県出身の出利葉は、ジュニア時代から数々の大会で優勝し、大学2年時の2021年の「日本アマ」は2位、22年の「日本学生」は2位と日本タイトルは取れなかったが全国大会では常に上位争い。「九州アマ」は3勝を挙げるなど、ナショナルチームにも選出されて日の丸を背負って戦った。 また、中学2年時には男子ツアーの「KBCオーガスタ」にも出場した(結果は予選落ち)。高校3年時の19年には「KBCオーガスタ」で24位タイ、大学3年時には「三井住友VISA太平洋マスターズ」で19位タイに入るなどツアーでもその名を知る人が増えてきた。昨年末のQTで75位に入りプロ転向し、今季は下部のABEMAツアーが主戦場だが、レギュラーツアーは今大会が2試合目となる。 出利葉の魅力はなんといっても飛距離だ。身長180センチ、体重87キロとトレーニングで体の厚みもある。自身でも持ち味というドライバーの飛距離は「キャリーで310ヤードぐらい。トータルすると330ヤードぐらいいきます」。 今季4戦目の「FOR THE PLAYERS BY THE PLAYERS」で4位タイに入った新村駿は、“320ヤード砲”として表れた新星だが、出利葉にとっては大学の1学年上。「駿さんとは飛距離は同じぐらいです。駿さん、僕と回ると力が入っちゃうみたいですけど(笑)」と、高次元で飛距離を競う仲だ。 今大会の部門別データのドライビングディスタンスは2日間を終えて287.39ヤードで40位。このデータは2ホールの平均値から算出しているが今大会は4番と16番の2つのパー5。「4番はドライバー使っていないんです。4番ウッド(16.5度)を使っているので数字は出てないですよね」。16番ホールは2日間の平均は312ヤードだが、4番ホールの飛距離は262ヤード台。部門別データに反映されていない。 4番ホールは左ドッグレッグホールのパー5で、出利葉がドライバーを使った場合の落下地点が狭いことから1Wを握っていない。このホールが象徴するように、今週は3~4回ぐらいしかドライバーを握っていない。「林ならいいのですがロストとかもあるので…」とブッシュを警戒している。ティショットは4番ウッドや2番アイアンを駆使して丁寧なマネジメントでスコアメイクを行っている。 大物ルーキーは周囲からの期待も大きいが、アベマツアーでは10位タイが最高。レギュラーツアー初戦の「ミズノオープン」は予選落ちを喫した。「最初の頃は過度に自分に期待しすぎていて…なかなかかみ合わずに苦しみました」とプロ生活は思ったように滑り出せなかった。「自分を追い詰めて調子が上がらないときに苦しくなる。まずは目の前の1打をどう打つかの準備が大事です」と気持ちは切り替えている。 ここ数年平均飛距離320ヤード超えは、河本力一人だったが、彗星のごとく現れた新村駿に加えて、出利葉もその一人になる。今後はこういった選手が増えてくるかもしれない。好位置で週末に臨むルーキーは気負いなく、のびのびとプレーするつもりだ。