新型コロナウイルスに関する政府の専門家会議が22日、開かれた。その会議内で、ネット通販大手の楽天が発売した、新型コロナウイルスの「陰性・陽性」が分かるとされる検査キットについて、「懸念」の意見が出ていたという。会見に出席した日本医師会常任理事の釜萢敏氏が明らかにした。 【動画】新型コロナ「向こう1年間は付き合っていかないと」専門家会議が会見

会見する釜萢氏

　キットに対して警鐘を鳴らした同日昼の日本医師会の会見にも出席していた釜萢氏は、「企業が従業されている方にやるということを想定したものなので、ご自身が検体を採取しなければならない。ということは周りに感染するリスクがあるし、確実に適正に検体が採取できるかどうかも分からない」と改めて否定的な見解を示した。 　また、「これは医療・医行為に属するものではないと発売元は表明しているけれども、本来はきちんと医療の中でやるべきことなので、非常に危険をともなう。特に実際には陽性なんだけど、陰性と出てしまった人が陰性と言うことを根拠に職場で働いてしまうと、周りに広げてしまうことがある。対外診断用医薬品という枠の中でしっかり管理したものでないと、国民に対して安心して提供できるものではない。昼の段階では日本医師会では大きな懸念を抱いていると申し上げたが、たぶん専門家会議のみなさまの考えも同じだろうと推測している」と続けた。 　そして、専門家会議内でそのことが議題に上ったのかと問われ「その件にあっては、懸念のご意見があった」と述べた。