AI売上高「30%」に引き上げへ、「取り組まなければパナソニックが化石になる」…楠見雄規社長に危機感
【ラスベガス(米ネバダ州)=坂下結子】パナソニックホールディングス(HD)の楠見雄規社長は8日、読売新聞などの取材に応じた。AI(人工知能)関連事業の売上高を2035年に全体の30%に引き上げる目標を掲げたことについて、「目標は挑戦的だが、取り組まなければパナソニックが化石になるという危機感がある」と述べた。
楠見氏は「AIが人間を超える領域があり、AIをどんどん取り込まないと効率性と正確さで劣ってしまう」と指摘。今後、新たに専門のチームを組織し、目標の実現に向けてトップダウンで取り組む方針を明らかにした。
楠見氏は7日、米ラスベガスで開催されているテクノロジーの展示会「CES」の基調講演で、AI関連事業の売上高の比率を現在の3倍に高めると表明した。
一方、米国のトランプ次期大統領がメキシコとカナダに関税を課す方針を示していることに対して、楠見氏は「人件費の安いメキシコで生産し(米国に輸出し)ている企業は、うちも含めて多い」と懸念を示した。カナダについても蓄電池の材料となる黒鉛を調達しているとし、「インパクトがあり、リスクは感じる」と語った。