【速報】“紀州のドン・ファン”元妻に「無期懲役」を求刑 検察「遺産目当ては明白で動機は極めて悪質。人命軽視もはなはだしい」と糾弾 「有期懲役を選択する事情はない」
2018年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家男性を殺害した罪に問われている、元妻の裁判。検察側は11月18日の論告で、「遺産目当ての犯行であることは明らかで動機は極めて悪質。強盗殺人と同程度の悪質さで、人命軽視もはなはだしい」などと糾弾。「有期懲役を選択する事情はない」として、元妻に「無期懲役」を求刑しました。
事件性と犯人性の両方が争点
須藤早貴被告(28)は、2018年5月に夫で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家・野﨑幸助さん(当時77)に致死量の覚醒剤を摂取させて殺害した罪に問われています。 裁判では、事件性(野﨑さん死亡が殺人事件であるのか否か)と犯人性(須藤被告が犯人か)の双方が争われています。 検察側は野﨑さんに自殺の兆候はなく、覚醒剤との接点もなかったとした上で、 ▽死亡当日に野﨑さんが覚醒剤を摂取したとみられる時間帯(午後4時50分頃~20時頃)に、須藤被告と野﨑さんが2人きりで野﨑さん宅にいたこと ▽なおかつ、その時間帯に須藤被告が8回も、野﨑さんがいる2階に上がったことが確認されている点。 ▽野﨑さん死亡の約1か月半前に、覚醒剤の密売人と接触し、覚醒剤と思われる物を購入した点 ▽野﨑さんの死亡前に「完全犯罪」「老人 死亡」「覚醒剤 過剰摂取」「覚醒剤 死亡」「相続税 海外口座」など、犯行準備をうかがわせる検索をしていた履歴が確認されている点 ▽野﨑さん死亡後にも「自白剤」「殺人罪 時効」など、捜査を気にするような検索をしていた履歴が確認されている点 などから「野﨑さんの死亡は殺人事件である点は明白で、須藤被告が犯人である」と主張しています。
須藤被告は「野﨑さんから覚醒剤の購入を頼まれた」無罪を主張 「死に方を考えてほしかった」と“恨み節”も
一方で、須藤被告は「私は殺していないし、覚醒剤を摂取させたこともない」と無罪を主張。 被告人質問では、覚醒剤の密売人との接触は認めた上で、「野﨑さんから覚醒剤の購入を依頼された。実際に田辺市内で密売人に会い、“物”を購入したが、後日野﨑さんから『ニセモノで使い物にならない』と言われた」と説明。 「もうちょっと死に方を考えてほしかったというか、社長(野﨑さん)があのタイミングで死んだせいで、私は何年も人殺し扱いなので」と、“恨み節”を述べる場面もありました。
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