Dannie Mayインタビュー「自分たちの強みに気づいてからは楽曲の力強さが全然変わった」
――そしてYunoさん作詞の「Night Flower」、これはどんな着想なんですか? Yuno これはもともと去年、曲に広がりが出過ぎた時に”SNSにワンフレーズぐらい上げてみてみんなの反応を見てみるっていうのも面白いかもね”みたいなのをやっていたんですよ。で、その中で圧倒的に評判が良かった楽曲をフル尺にしたっていう感じなんです。なので、これは作曲がマサで作詞は僕っていうDannie Mayにたまにある特殊なパターンのやつなんですけど、歌詞は明確に「ふたりの暮らし」のダーク版みたいなイメージで書いている曲で。 マサ 初耳なんですけど。(笑) Yuno 明確にリファレンスにしている僕の好きなアニメがあるんですけど、それも男女を描いているアニメで。「ふたりの暮らし」っていうのはわりとこういう今の社会というか、広い世界でもふたりですごく愛のある世界を築いているんですけど、「Night Flower」の方は逆で、今あるこの世界のせいで一緒に生きたかったけど生きれなかったふたりを描こうと思って。 ――へえ!歌詞の中にポップスターもロックスターもパンクロックもディスっている部分もあって、自分はそこにフォーカスしてしまいました。 Yuno これは完全に、最初にマサがこの曲のワンフレーズを作る時に、なんとなく口ずさんでいたロックスターとかいう言葉をそのまま僕がもらってきたんです。 マサ 仮歌詞ね。 Yuno リファレンスにしている作品でもカッコいいけど、きれいごとを言うちょっと横暴なキャラクターがいて。音楽ってそれこそ魔法足りえるって話もあったんですけど、とは言え見る人によってはきれいごとだなって捉える人もいるだろうし、そこに対して正直に向き合えない環境にいる人もいると思っていて。最初に話した通り、どんな状態であっても何か1曲はきっとこの人に響くはずだっていうのを大事にしているんで、それをこの曲ではちょっと表現したっていうところではありますね。音楽を否定はしていないんですけど、きれいごとの否定っていうのを歌詞の中で書いている感じですね。 ――そして目下、アルバム直前の新曲が「ダンシングマニア」で、平たく言うとライブにあるとめちゃくちゃうれしい曲かなと。 マサ うれしいですね。この曲は僕らの今後のライブで名刺代わりになるような曲にはなっていくとは思いますね。 ――フィジカルな意味で、ライブで必要な感じの曲というか。 マサ それこそこの曲のテーマはグランジロックとヒップホップをかけ合わせてやったらどうなるかな?っていうので作ったので。かけ合わせって、面白いことが起こる可能性が高いので結構やるんですけど、「ダンシングマニア」は今回のアルバムの中だと割とハマったんですね、そのかけ合わせが。 ――2というテーマの幅を感じます。アルバムが完成した今、どういう手応えがありますか? タリラ 最高でしょう! マサ これは最高だと思うな。どこを切り取ってもらっても恥ずかしくないようなアルバムになったかなっていうのはもちろんありますし。前回のアルバムが完成した時も、「めっちゃ良いアルバムだな」って思ったんですけど、今回聴いてみると格段にいろいろと見えてるもんが違うなって(笑)、すごく思う。 ――1stアルバムの『Ishi』って攻撃力があるアルバムだった気がしていて。 マサ そうですね。やっぱり暗いというか中にいる人間が暗かったな、あの時は。後向きなやつが頑張って前向いている感じがあの頃はすごいあったんです。実際かなり報われてなかった頃なんで、明るくしようと思ってもやっぱ明るくできないじゃないですか、そういう人間って。不幸せって無理しても絶対分かるんで、曲とかで。そういう意味で今回の方が人の匂いがするというか本来の俺らっぽいっす。 ――10月後半からはツアーも始まりますが、どんなものにしたいですか。 Yuno これはでも前回のツアーからそうだったんですけど、というかなんならそれこそ5周年の日からですけど、漠然とZeppでの単独公演っていう結成当初から掲げてきたものがいよいよリアルに掴みに行くフェーズに変わったと思っていて。それが3月の5周年のワンマンから夏のツアー、今回のアルバムのリリースツアーっていうふうにひとつずつ階段を登っていくっていう感覚でやってきているので。夏のツアーよりもさらに力強いライブにはもちろんしていくし、とはいえここがゴールではないので、ここもひとつ力強い階段を踏めるイベントになればいいなとは思っていますね。 ――初めて観る人もその場で参加できそうな新曲が増えましたし。 マサ 確かに。僕らって別にお決まりのノリ方があるわけじゃないですけど、(Yunoが)大体煽ってやってくれるんで(笑)。 Yuno 僕は初めて来る人でも一回来たら楽しいと思ってもらえるようなことを心がけて常にライブには臨んでいて。静かに後ろで観たい人も前でノリたい人も僕が一番歌って踊っていればきっと全員楽しいはずなんで、そこは意識して先陣切って今回のツアーも盛り上げていきたいと思います。 Text:石角友香 <リリース情報> 2ndアルバム 『Magic Shower』 9月18日(水) リリース 【CD・配信収録曲】 1.マジックシャワー 2.ゲッショク 3.ふたりの暮らし 4.強欲 5.Night Flower 6.ダンシングマニア 7.アストロビート 8.ハッピージャック 9.カオカオ 10.肌合い 【Blu-ray収録曲】 1.灰々 2.笑わせらぁ 3.玄ノ歌 4.黄ノ歌 5.針よ墜とせぬ、暮夜の息 6.待ツ宵 7.東京シンドローム 8.異形 9.適切でいたい 10. If you イフユー 11. 3分半の反撃 12.ぐーぐーぐー 13.ええじゃないか 14.KAMIKAZE 15.OFFSIDE 16.カオカオ 17.コレクション 18.ユウヤケ ※結成5周年記念ライブ 『5th Anniversary One Man Live「Give Me Five」』公演の本編を全曲分収録 <ツアー情報> 『Dannie May ONEMAN LIVE 2nd Album Release Tour「Magic Shower」』 10月26日(土) 広島・ALMIGHTY 開場 17:30 / 開演 18:00 10月27日(日) 福岡・Queblick 開場 17:30 / 開演 18:00 11月2日(土) 大阪・Music Club JANUS 開場 17:30 / 開演 18:00 11月3日(日・祝) 名古屋・CLUB UPSET 開場 17:30 / 開演 18:00 11月9日(土) 東京・渋谷 CLUB QUATTRO 開場 17:15 / 開演 18:00