「野球に集中しろという声も当然」それでも「異例の起業」に挑む理由…DeNA・関根大気が語った、プロ野球選手の「セカンドキャリア問題」
10月1日、プロ野球・横浜DeNAベイスターズの関根大気外野手(29歳)が、横浜市磯子区内に児童発達支援・放課後等デイサービス『グローブ』を開所した。関根選手は2013年に愛知・東邦高校からドラフト5位で入団。俊足と強肩を生かした外野守備が持ち味で、2023年シーズンには140試合に出場、126安打を放ちキャリアハイの成績を記録した。 【写真】世界が驚愕…シブコの鍛え上げられた 「圧巻ボディ」奇跡のショット! 現役プロ選手がシーズン中に新規事業を立ち上げるのは珍しいが、スポーツ関連ではない福祉事業での挑戦もまた異例といえる。 前編記事『「批判も覚悟」現役プロ野球選手が福祉ビジネスへ「異例の挑戦」…横浜DeNAベイスターズ・関根大気がいま「起業に挑む」理由』に続き、デイサービス開所に至った詳しい経緯や、プロスポーツ選手のセカンドキャリアのことまで、本人に話を聞いた。
野球もビジネスも全力で取り組むために
――野球との両立も大変でしょう。 関根バランスを取るという考え方は、僕の中にはありません。どっちも全力でやる。9月に第2子が生まれたので、家族に対しても全力で向き合います。確かに忙しいですけど、僕はそれを苦しいとは全然感じないんです。野球だけしかやっていなかったら分からなかったことを知ることができるのは楽しいですし、未来も豊かになっていくだろうと思っています。 ――ただ、野球の結果が伴わなくなってくると、どうしても「野球に集中しろ」といった声が出てくることも予想されます。そのあたりについてはどう考えていますか? 関根批判の声が出てくるのは当然ですし、それは僕の責任。そうならないように頑張るということしかないですね。僕が頑張っていい結果を残せば、施設の子どもたちもきっと喜んでくれるはずなので、頑張る理由が増えたという言い方もできると思います。 それに、もし僕が野球でいい結果を残せなくなって、ファンの方たちから「ビジネスのことばかり考えているせいだ」と言われてしまうようなことになれば、今後同じような挑戦をしようと考えている人たちにも迷惑がかかってしまう。 もっと言えば、僕の挑戦を後押ししてくれている球団にも申し訳ないですよね。球団の判断は正解だったんだという形にしたいですし、やっぱり全力でやって成功させるしかないと思っています。 ――事業にはつきもののリスクについては、どう向き合っていますか? 関根まず言えることとして、横浜市では、このサービスに対する需要はすごく高いんです。例えば札幌市と比べてみると、人口が約200万人で、児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所数が700以上あるのに対し、人口約380万人の横浜市では、市が公開している施設一覧によると550ほどしかありません。これを見るだけでも、まだまだ供給が足りていないんだなということが分かりますよね。 その一方で、当然、お金の計算もしています。来所者の数と売上についてはかなり低く見積もったうえで、仮に最悪のシナリオになったとしても資金的な問題が起こらないような事業計画を立てています。さっきも言ったように、施設運営の実績がある方から知見をいただけているので、具体的な数字を想定しながら計画できています。