帰省したら、今年亡くなった祖父の遺産分割で孫にも「5万円」ずつもらいました。この金額なら“お小遣い”の範囲で、相続税は気にしなくても大丈夫ですよね…?
相続税が発生するケースで5万円相続していたら?
では、実際に孫が5万円を遺産としてもらった場合に、支払う相続税額をシミュレーションしてみます。ここでは次の条件で試算します。 ●故人は祖父で、遺産総額は6000万円 ●相続人は妻(祖母)と子ども(伯父・父・叔母)3人 ●祖母は2970万円、子ども3人は1000万円ずつ相続 ●孫6人が5万円ずつ相続 前の項で解説した手順に当てはめると、次のようになります。 1.相続財産の総額は6000万円 2.基礎控除額は5400万円のため、課税遺産総額は600万円 (6000万円-5400万円=600万円) 3.法定相続分は妻が2分の1、子ども3人は6分の1ずつのため、祖母が300万円、3人の子どもが100万円ずつとなります。 4.法定相続分に応じた相続税率をかけて、相続税率を算出します。今回は全て税率10%となるため、祖母の相続税額が30万円、3人の子どもはそれぞれ10万円です。 5.相続税の総額は60万円です。 (30万円+10万円×3人=60万円) 6.孫が実際に相続した金額5万円は6000万円分の5万円のため、相続税額は500円です。さらに、孫は2割加算となるため、600円を納める必要があります。 (5万円/6000万円×60万円=500円、500円×1.2=600円) この結果から、相続財産の大小にもよりますが、遺産の中から5万円を受け取ったときに納める相続税はそれほど大きな金額とはならないでしょう。ただし、相続財産が基礎控除額を超えており、相続税を支払う必要がある場合は、少額であっても必ず相続税の申告が必要です。
まとめ
孫への相続の場合でも、相続人への相続と同じように相続税が課税されます。相続財産が相続税の基礎控除内であれば、相続税の申告や相続税の支払いをする必要はありません。 しかし、基礎控除を超える相続財産がある場合は、相続した金額が5万円であっても申告や納税が必要です。孫への相続の際にかかる相続税は、通常の2割加算となりますが、5万円を相続したケースでは相続税はそれほど高額にはらないでしょう。 出典 国税庁 No.4152 相続税の計算 国税庁 No.4155 相続税の税率 執筆者:古澤綾 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部