女子オールスター競輪でパリ五輪代表・佐藤水菜と3日連続対戦も…ジレンマと戦う児玉碧衣「逃げ切る脚を付けるのが一番いいけど」
佐世保競輪のナイター「第4回ヒラマサカップ(F2)」が22日、幕を開ける。7Rのガールズ予選1を走る児玉碧衣(29歳・福岡=108期)に話を聞いた。 先日、パリ五輪代表・佐藤水菜の完全優勝で幕を閉じた平塚競輪場「女子オールスター競輪」。児玉は3日間連続して佐藤と対戦したが、見せ場を訪れずに終わった。「平塚はもう…3日間、反省しか無かった。決勝はさとみな(佐藤水菜)が後ろに入ったのがわかって気持ちが抜けてしまったし…」と、これまで幾度も対戦してきた佐藤に圧倒的な力の違いを見せつけられ肩を落とした。そして「私はこれまで脚力勝負に重点を置くあまり、あまり考えて走ってきませんでした。そのツケが出たんだと思います」と意外な敗因を明かした。 「もちろん、負けたのは脚力の差。でも最近は気持ちやセッティング、体とありとあらゆるものが噛み合っていない。レースでは勝ちたいがために、考えても考えがまとまらずに(慎重になって)動けないんです」 たしかに最近は上位クラスを相手に構え後方に置かれ、他の選手の動きに乗っかり直線を伸びてくる、そんなシーンを多く目にする。冷静ではいられるものの頭をフルに使うことで道中、こんがらがってしまうのか。「だから、考えることから逃げたくて先行しちゃうんです。先行なら“魅せるレースができた”と評価してもらえるから。でも、結局抜かれるし、それでいいのかって感じで。逃げ切る脚を付けるのが一番いいけど(周りの)レベルは高いし…。明確に何をすればいいのかわからないまま、日が過ぎていきます」とジレンマを抱えている。 とはいえ、これまで打倒ナショナルチームを掲げて戦ってきただけに後塵を拝すわけにはいかない。それに佐藤水菜との対戦はガールズケイリンのなかでもファン垂涎の好カードで、両者のマッチレースを誰もが待ち望んでいる。そのためには気落ちなんかしていられない。「そうですよね。またイチから積み上げていきます。まずは今回の3日間は振り切るように頑張ってみます」と更なる高みを目指し再出発を誓った。(netkeirin特派員)